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[画像: 鴻池朋子| Tomoko Konoike “水を泳(くく)るために現れ何言かをいう” / 2009 / 墨、雲肌麻紙、木製パネル / Diam.150.0 x 4.5cm ©Tomoko Konoike]

鴻池朋子 + 村田朋泰 「Mythology ⇆ Story 神話から物語へ 物語から神話へ」

GALLERY MoMo Projects
終了しました

アーティスト

鴻池朋子、村田朋泰
GALLERY MoMo Projectsでは、鴻池朋子と村田朋泰の二人展『Mythology ⇆Story 神話から物語へ 物語から神話へ』を2月1日(土)から3月7日(土)まで開催いたします。今展では、鴻池と村田の旧作を展示しながら、二人が共通して用いるモチーフ能面に着目すると同時に作品制作へのアプローチの違いに注目しました。

村田は、2011年に起きた東日本大震災と福島原発事故を機に「祈ること、信仰すること、記録すること」とは何かをテーマに全5作品で1つのシリーズとする作品群の制作に取り組んできました。今展では、現在までに完成している福島の原発事故をテーマにした『翁舞 / 木ノ花ノ咲クヤ森』、活断層でできた日本列島をテーマにした『天地』、そして震災をテーマにした『松が枝を結び』を展示します。
このシリーズのプロローグとして、五穀豊穣、旅の安全や健康を願う「祈り」と天変地異などを「記録」することが目的である『翁舞』をパペットアニメーションで再現し、民話や伝承などと同様に忘れてはならない出来事を記憶する装置という役割をこれから展開する自身の作品に込めました。また、日本神話や古事記などからインスピレーションを受け、象徴的なキャラクターやアイテム、作品の題名を付けている村田にとって神話は、彼のオリジナルの物語を創造する起源として欠かせないものとなっています。


一方で、鴻池の作品には白い顔のない生き物「ミミオ」、六本脚のオオカミ、人間の足が生えた蜂など、彼女自身の感覚が創造したキャラクターたちが作品を構成しています。何か具体的な物語が描かれているようにも思えますが、そこに強いメッセージが表出している訳ではありません。鴻池が体験し、言葉にすることが難しい感覚的な事柄を記録した作品は、村田が物語の起源として用いる神話のような要素が含まれています。

今展では、そうした鴻池作品を構成する要素がつまったドローイングアニメーション『Mimio Odyssey』で使われたドローイングを展示し、彼女自身が作り出した神話のような物語の起源を見せるとともに、言葉にできない感覚的な思いを記録として描いたという『水を泳(くく)るために現れ何言かをいう』を展示します。円形のパネルに沿うように描かれた未完成のような体は、女性とも男性ともつかず、顔には翁面をつけ宙を舞っているようにも見えます。生死さえもつかさどり私たちを俯瞰的に見ているようなその姿はまさに神のようです。この作品から4年後、地殻は大地を揺らし多くの人の命を奪い、改めて私たちは生きることの意味を問う旅に出ることを余儀なくされましたが、漠然とした感覚で表現された作品は今も「大事な痕跡が残っているように感じると」記し、より重要な位置を占める作品となっています。

同じように翁の面を両者の表現の中に見出すと、象徴的に捉えようとする村田と、表皮の持つ意味を感覚的にも理知的にも捉え、覆い隠されたものへの想像力と可能性を掻き立てる鴻池の違いは、鮮明でありながら共通する視点も感じ、改めて共に展示して再考すべく今展を企画し、周辺作品と共に展示しました。春を予感させる2月、共に多方面で活躍する二人の作品をご高覧いただければさいわいです。

スケジュール

2020年2月8日(土)〜2020年3月7日(土)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
会場GALLERY MoMo Projects
http://www.gallery-momo.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木6-2-6 サンビル第3 2F
アクセス東京メトロ日比谷線六本木駅1b出口すぐ、東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅3番出口より徒歩3分
電話番号03-3405-4339
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