ジェームズ・ジョイスの著作には、数多くの馬が登場する。特定の登場人物について言及する際も、競馬について語ったり、馬を描写したりしている。当時、ダブリンは馬だらけだった。『ユリシーズ』にもたくさんの馬が登場する。こうしたフレーズは、ジョイスの初期の著作『若い藝術家の肖像 (Portrait of the Artist as a Young Man)』 にある「彼のいう輝きとは、スコラ哲学上のquidditas(ラテン語では文字通り「物事の本質(whatness)」)、すなわち物事のwhatness(本質)である」という美学上の命題と馬とを関連づける。