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[画像: さとう陽子 ‘ 愛でるすきをすく ’ oil, oil pastel, pencil on canvas 270×270mm(each) 2020]

さとう陽子 「愛でる」

s+arts
終了しました

アーティスト

さとう陽子
s+arts (スプラスアーツ)より、さとう陽子 個展「愛でる」の開催をお知らせいたします。
さとう陽子は、絵画、写真、詩、パフォーマンス等の多様な表現活動を通して世界との向き合い方を問い続けている作家です。各ジャンルの表現を合わせることはせずに、独立した自身の表現方法として成立させ、制作を続けています。その他、学校や高齢者施設などで身体感覚から作品をつくるワークショップ等も行い、精力的に自身の表現の場を広げています。本展では、視覚だけでなく、音、味、匂い、触感などの感覚も使って絵を描くことで、「いまここに生きている画面になるようにする」と話すさとうの絵画表現としての新作展を発表いたします。
これまでさとうは、油彩、パステル、鉛筆、メディウム等を加え、その時の想いを幾度もキャンバスに重ねることで形を現し、画面を埋めていくように、主に厚塗りの強弱をつける方法で作品表現を続けてきました。昨年からは、細部に気を使いながらも俯瞰するように、脱力した[穴]や[破れ]のような減算の要素を画面に入れることで、今までの制作方法から派生した形で独自の時空間を表現することに挑戦しています。
本展タイトル「愛でる」とは、日本人独特の美意識とも言える、奥の深い言葉です。こしらえとしての生け花や掛け軸、のちに民画や民藝と呼ばれるようになる品々や他調度品等、人々はそれらを親(ちか)しく感じ素朴に愛でてきました。西洋文化圏の歴史の中で組み立てられ論理的に位置づけられてきた美術という概念が入ってくる以前から、日本人の美意識は生活の中に根付いていたのです。しかしながら、現在私たちは美術の概念と美意識とをごちゃ混ぜにしたまま作品を作り鑑賞し続けている、とさとうは語ります。そこには、美意識だけでは西洋美術のように生きていく(実存)の問題に対応できないという考え方が含まれているからだとも見受けられますが、もともと自分たちの持つ美意識を相対的に位置づけることが出来ていないためなのではないか、と さとうは考えるのです。
「私は日常の中で愛でられる作品をつくる。そしてその作品が生きていくことに静かに力を添えるものになる仕事をしたい。」
そう語るさとう陽子の言葉からは、日本人が古くより培ってきた美意識に響くような人々に親しいものになるように、という彼女の作品への願いが込められているようにも感じられます。理屈ではななく、自身の様々な感覚に重きを置くことで成されるさとうの作品が求める「愛でる」を考える時、鑑賞者も自身の美意識を再確認する機会にもなり得るのではないでしょうか。

スケジュール

2020年10月2日(金)〜2020年10月11日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
会期中無休、不定休
入場料無料
会場s+arts
https://www.splusarts.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F
アクセス都営大江戸線六本木駅7番出口より徒歩3分、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口より徒歩5分、東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口より徒歩6分
電話番号03-3403-0103
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