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「それぞれの山水」

駒込倉庫 Komagome SOKO
終了しました

アーティスト

石井友人、高嶋晋一 + 中川周、槙原泰介、水木塁
この度、駒込倉庫にて4組の作家によるグループ展「それぞれの山水」を開催いたします。
本展を企画した近藤亮介は、これまで欧米のランドスケープ史を研究する傍ら、中国風水術や日本庭園のフィールドワークを通して、東アジアに根差した自然の捉え方に関心を持ってきました。西洋由来の「ランドスケープ=風景」は、人間(主体)の存在を前提としているのに対して、中国発祥の「山水」には人間の所在がはっきり認められません。それは、山と水が目に映ずる世界というより、むしろ万物の両極性――陽と陰、静と動、有形と無形など――の象徴であり、すべての連鎖の中に人間も自然も主客未分化なまま存在すると考えられているからです。

そのような山水の視点は、東アジアの自然観に留まらず、グローバル化の進む芸術や社会を考える上でも示唆に富んでいます。例えば、近代の芸術モデルが主従関係と見なしてきたオリジナルと複製は、相補関係として再解釈されるでしょう。また、人工知能やバイオ技術が揺るがす人間の主体性は、そもそも所与のものではないかもしれません。つまり山水は、単なる西洋近代批判やナショナリズムの方便ではなく、近未来を思考するための開かれたキーワードとなり得るのではないでしょうか。

本展に参加する4組の作家は、表現手段も関心もさまざまですが、日常にありふれたものを直観し、素材=物質との身体的な関係を通して、自らを他律的思考へ投げ入れる点で共通します。彼らがそれぞれの方法で喚起する世界は、思考に先行して物質・行為が存在し、人と自然が混淆する「トポス=場所」としての山水といえるかもしれません。本展は、そうした山水の潜在的可能性を提示します。また、会期中には多彩なゲストを招き、本展の魅力を掘り下げるギャラリートークも開催いたします。

[関連イベント]
ギャラリートーク
第1回「中国山水圃の射程ーー臥遊と臨摸」
日時: 2月15日 17:00〜18:00
ゲスト: 呉孟晋(くれ・もとゆき、京都国立博物館主任研究員)
※トーク終了後にレセプションを開催
第2回 アーティスト・トーク
日時: 2月22日 18:00〜19:00
ゲスト: 本展参加アーティスト
第3回「枯山水の土木工学ーー地形と借景」
日時: 2月29日 18:00〜19:00
ゲスト: 粟野隆(東京農業大学准教授)
第4回「タイトル未定」
日時: 3月7日 17:00〜18:00
ゲスト: 光田由里(DIC川村記念美術館学芸部マネジャー)
※イベント詳細は公式ホームページよりご確認ください。

スケジュール

2020年2月15日(土)〜2020年3月8日(日)

開館情報

休館日
イベントにより異なる
備考
開館時間 12:00〜19:00

オープニングパーティー 2020年2月15日(土) 18:00 から 20:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://www.facebook.com/events/885006868606067/
会場駒込倉庫 Komagome SOKO
https://www.komagomesoko.com/
住所〒170-0003 東京都豊島区駒込2-14-2
アクセスJR山手線駒込駅東口より徒歩2分、東京メトロ南北線駒込駅4番出口より徒歩2分
関連画像

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