今展では、同じギャラリースペースを共有するNii Fine Arts Tokyo とARTDYNEがそれぞれの取り扱い作家を紹介します。Nii Fine Arts Tokyoからは油絵の具を用い、画面に溶け込むようなテクスチャーで移ろう日常の風景を画面に取り込み、自他の境界やものの在り方について考察する井上鞠子、曖昧な存在としての「人」を注視し、「個」と何物でもない「何か」との間を往還する存在として、人々の姿を描く国本泰英。ARTDYNEからは一貫して演劇的な構図や女性の身体性の表現に取り組み、ドラマチックな画面を構成する写真の尾黒久美、日常生活から取り出した何気ないモチーフを平面性と物質性の両面から描き出す中野由紀子、の4名です。