タリオンギャラリーにて、小松千倫、松田将英、スチュワート・バード、ライラ・ペリーによる展覧会「Mob World Reverb」を開催いたします。
Mobは群衆、Worldは想像できる最大の単位、Reverbは反射によって減衰しつつ到来するエフェクトを指し、これらのワードはXYZ軸のようにそれぞれが別方向を向いており、ルービックキューブのように回転させることができます。本展「Mob World Reverb」は、World Reverb Mobであり、Mob Reverb Worldでもあり、Reverb World Mobでもあります。
例えばソーシャルメディアは、Mob Reverb Worldの一つと言えます。無数の個別の声が、半ば自動的に群性を帯びてしまう、そのようなエフェクターとして浮かび上がるでしょう。一方でReverb World Mobは、そうした世界を個として生きるということと、その切実な実行を指し示します。こうした社会的、政治的、個人的にそれぞれ異なる条件や視野の角度を否応なく操作するエフェクターを「Mob World Reverb」とここに呼称します。
本展では、実験音楽家でもありつつ、3DCG、ペインティング、パフォーマンス、インスタレーションといった表現活動を行ってきたアーティストの小松千倫、スチュワート・バード、ライラ・ペリーと、コミュニケーション(不)可能性の対象としての集合を作品制作のモチーフとしてきたアーティストの松田将英が参加し、「Mob World Reverb」というエフェクターを通して、世界をもう一度制作可能な対象につくり変えることを試みます。