「アート・アーカイヴ資料展XXI 槇文彦と慶應義塾 Ⅰ: 反響するモダニズム」
慶應義塾大学アート・スペース
[画像: 日吉図書館 Photo by: Ryota Atarashi]
29日後終了
※新型コロナウイルスの影響に伴い、事前予約制での受付を行ないます。
槇文彦は慶應義塾や東京大学で学んだのちにハーバードに在籍し、1965年に槇総合計画事務所を設立して独立しました。彼はモダニズム建築家として、常にアクチュアルな課題に向き合いつつ、単にそれを解決するだけではよしとせず、建築周囲の状況に応じて柔軟に対応しながら社会に適合する建築を求めています。つまり彼の建築哲学は、建築そのものだけでなく建築物を取り巻く周囲の環境への深い理解に立脚し、都市と建築との関係、また現状だけでなく歴史的文脈における正当性といった「倫理観」をも含めた透徹した視線を特徴としているのです。それでいて決して環境に流されている訳ではなく、自身が課題(槇自身の言葉でいうところの「ロマン」)を設定することにより、どの建築物も槇建築としての同一性を有していることも忘れてはなりません。
槇は母校のひとつである慶應義塾大学においても多くの建築物を設計しています。慶應義塾の中心である三田キャンパスにおいては図書館新館や大学院校舎が、日吉キャンパスでも図書館が彼の手によってデザインされました。さらに湘南藤沢キャンパス(SFC)は全体が槇建築によって構成され、さながら野外展示場の様相を呈しています。
本展では慶應義塾をめぐる槇建築の展覧会の第一回目として、三田キャンパスの図書館と大学院棟、そして日吉キャンパスの図書館を取り上げ、慶應義塾と槇文彦の関係性を結節点として彼の建築を見ていきます。150年近い伝統をもつ三田キャンパスの歴史性と環境に、槇がどのように配慮しつつ新しい建築を構想したか、さらに同じく図書館を設計した日吉キャンパスとの違いにも焦点を当てます。これらの建築物と同時期に槇が担当した図書館旧館の改修工事も参考にしながら、慶應義塾という環境、そしてキャンパス内の他の建築と槇文彦の感性が反響することで生み出された建築物を、慶應義塾大学アート・センターの「慶應義塾の建築」プロジェクトの成果を下敷きにしながら図面や写真を通してご紹介します。
メディア
スケジュール
2021年02月01日 ~ 2021年03月26日
開館時間 11:00〜18:00、土曜日・日曜日・祝日は休館、事前予約制
アーティスト
入場料
無料
アートスペースの開館時間
イベントにより異なる