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甲斐啓二郎 「骨の髄」

ニコンプラザ東京
終了しました

アーティスト

甲斐啓二郎
甲斐啓二郎は、2012年2月にイギリス・ダービーシャー州アッシュボーンで、フットボールの原型とされるShrovetide Footballの行事を取材した。この、川を挟んだ二つの地域の住人たちがひたすらボールを奪い合う行事の撮影をきっかけにして、世界各地でおこなわれている「格闘の祭事」に足を運ぶようになる。
秋田県美郷町の「竹うち」、長野県野沢温泉村の「火付け」、ジョージア・シュフティのLelo、ボリビア・マチャのTinkuといった行事に共通するのは、男たちが体をぶつけ合い、揉み合ううちに、「生きること」のみに純化した「倫理以前の人間の姿」に回帰していくことだ。甲斐は説明的な要素を切り捨て、格闘する人の群れ、彼らが発するエネルギーの場に直接カメラを向けることで、あたかも太古の時代に戻ったような始原的な人間の姿を捉えようとした。それは珍しい祭事のドキュメンタリーというだけではなく、スポーツやゲームがどのようにして形をとってきたかを人類学的な視点から考察する、とてもユニークな写真の仕事といえる。
2020年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、ニコンサロンでの展示も一時休止を余儀なくされた。甲斐の「骨の髄」も、大阪ニコンサロンでは7月9日〜7月15日、銀座ニコンサロンでは8月26日~9月8日に会期を変更して開催されたが、よく練り上げられた充実した内容の写真展になった。また、これまでの仕事をまとめた写真集『骨の髄』(新宿書房)が刊行され、日本各地の「裸祭」を撮影した新作「綺羅の晴れ着」も既に発表されている。1976年以来、回を重ねてきた、伊奈信男賞にふさわしい業績といえるだろう。

スケジュール

2021年3月30日(火)〜2021年4月12日(月)

開館情報

時間
10:3018:30
最終日は15:00まで
休館日
日曜日
年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は休館
入場料無料
展覧会URLhttps://www.nikon-image.com/activity/exhibition/thegallery/events/2021/20210330_ns.html
会場ニコンプラザ東京
https://www.nikon-image.com/support/showroom/tokyo/event.html
住所〒163-1528 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー 28F ニコンプラザ新宿内
アクセスJR新宿駅西口より徒歩10分
電話番号03-3344-0565
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