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[画像: 北倉 螺鈿紫檀阮咸]

「第73回 正倉院展」

奈良国立博物館
終了しました
正倉院は奈良時代に建立された東大寺の倉庫で、聖武天皇の遺愛の品々を中心とする約9,000件の宝物を今に伝えます。正倉院展は、これら正倉院宝物の中から毎年60件ほどを選び公開する展覧会で、今年で73回目を迎えます。今年も、楽器、調度品、染織品、仏具、文書・経巻など、正倉院宝物の全容をうかがえるような多彩なジャンルの品々が出陳され、宝物が織り成す豊かな世界をお楽しみいただけます。

高貴な素材を惜しげもなく使った螺鈿紫檀阮咸(円い胴の絃楽器)や、極彩色の文様が目にも鮮やかな漆うるし金薄絵盤(蓮華形の香炉台)は、天平文化の華やぎを今も鮮明にとどめた、正倉院宝物を代表する品です。螺鈿紫檀阮咸は奈良では25年ぶりの公開、また漆金薄絵盤は平成25年(2013)に出陳されたものと対をなすもので、28年ぶりの公開となります。

日本で仏教がますますさかんになった奈良時代を象徴する出来事の一つが、東大寺大仏の造立でした。今年はこの大仏の開眼法要において東大寺に献納された品々がまとまって出陳されます。中でも、遥西方の地で作られたとされる白瑠璃高坏(ガラス製の高坏)は、高度な技術水準を示すガラス器の優品として注目されます。また、開眼法要で演じられた楽舞装束も出陳され、法要の場の華やかな情景が浮かんできます。

そのほか、鳥や獅子の文様を彩ゆたかに描いた曝布彩絵半臂(文様を描いた上着)や夾纈染め(板締め染め)の幡など、様々な技法で装飾された染織品もみどころです。とくに今回初出陳となる茶地花樹鳳凰文﨟纈絁(文様染めの絹織物)は、その名称のとおり﨟纈染め(蠟を防染剤として使う染色技法)の一種と考えられてきましたが、これまでほとんど知られていなかった色染めの技法が使われていることが最近明らかにされ、当時の染色技術の多彩さをうかがわせる研究成果として注目を集めています。 

一方、近年、宮内庁正倉院事務所で本格的な調査が行われた筆をはじめ、墨・硯・紙といった文房具がまとまった点数出陳されるのも今回の大きな特徴です。これらに注目することで、人々の知識の源泉となり、また国の統治に欠かせない文書行政を支えた当時の書の文化に思いを馳はせる機会ともなります。

スケジュール

2021年10月30日(土)〜2021年11月15日(月)

開館情報

時間
9:3017:00
休館日
月曜日
月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館
年末年始休館
※特別展開催中の開館時間・休館日は展示により異なります。
備考
開館時間 9:00〜18:00
入場料一般 2000円、大学生・高校生 1500円、中学生・小学生 500円 ※観覧には「前売日時指定券」の予約・発券が必要です。当日券の販売はありません。
展覧会URLhttps://www.narahaku.go.jp/exhibition/special/202110_shosoin/
会場奈良国立博物館
https://www.narahaku.go.jp/
住所〒630-8213 奈良県奈良市登大路町50
アクセス近鉄線近鉄奈良駅2番出口より徒歩15分、JR関西本線奈良駅東口より奈良交通バス「氷室神社・国立博物館」下車
電話番号050-5542-8600
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