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[画像: カガアツシ「Moving forward like a snail」 2021、162x130cm ©︎Atsushi Kaga / MAHO KUBOTA GALLERY]

カガアツシ 「It always comes : a solace in the cat 」

MAHO KUBOTA GALLERY
終了しました

アーティスト

カガアツシ
MAHO KUBOTA GALLERY では9月10日よりカガアツシの個展「It always comes : a solace in the cat 」を開催いたします。

東京の郊外のどこにもあるようなコミューティングタウンで10代を過ごし、ステッカー、カードを集め、友人とテレビゲームをし、レンタルビデオで洋画を見られるだけ観て、学校の帰りには毎日なんとなくコンビニエンスストアに立ち寄って漫画を読み漁り、次の日にはまた学校に行く繰り返し。生まれた町の日常から抜け出すことを求めてアイルランドに渡った青年は、最初は映画の道を希望するものの入学のための申請書締切日に遅れ、結局国立アイルランド美術大学に入学しました。2年時からは絵画科を専攻し、大学卒業後、その年にオープンしたダブリンのギャラリー、Mother’s Tankstationで初個展。東京郊外の生活と日本のサブカルチャーによって培われた絵画的言語と、アイルランドで学んだ絵画史や哲学、ケルト文化の影響が混ざり合った豊かな世界観はカガアツシの作品を唯一無二のものにしています。うざぎやクマ等のユニークなキャラクターが描かれる超現実的な作品は人気を博し、その後サンパウロ、ニューヨーク、ベルリン、マイアミ、香港等、順調に作品発表の場を広げてゆきました。2007年のダブリンでの最初の個展から2018年の日本で発表をするまで、様々な国で展覧会を成功させながらも11年間日本で作品を発表することはありませんでした。

2018年の初個展に続いてカガアツシの当ギャラリーで2回目となる今回の個展では、アーティストが昨年滞在したアイルランドのキルケニーにあるTony O’Malley Residency での制作の一年半の経験が色濃く反映されております。それは他の多くのアーティストがそうであったのと同様にパンデミック下の、誰もが社会から距離をとり自分と向かいあった一年でもありました。キルケニーの濃密な時間の中で絵を描くことへの内的な希求に真摯に向かい合い、江戸時代の京都の絵師たちや、あるいは西欧絵画の巨匠たちと語らうように生まれた作品群がカガの新境地を開いたことは明らかです。

そしてこの春、ふたたび京都にアトリエを構えたカガは、本展にあたってかつて挑戦したことがないほどに大きな主題に向かいあって絵を描いてきました。擬人化されたうさぎやクマ、猫等のキャラクターたちはこれまでと同様にほとんど全ての絵に描かれておりますが、彼らはもはや単なる「擬人化されたキャラクター」というよりは「擬人化されたイデア」あるいは「メッセージを運んでくるもの」として登場しているように感じられます。絵画の中に登場する目を閉じたまま動かない、死んでいるようなキツネ、静かにこちらを見る猫たち、月光に照らし出される百合の花、色とりどりの野菜、キルケニーで毎日のようにアトリエにやってきたというネコの「whitesocks」。幾分か霊的な気配が漂い、現実と向こう側の見えない扉を開く白昼夢のような世界が展開し、再生と希望が、永遠の時間軸の中で螺旋のようにめぐり巡ってゆくようです。

「It always comes : a solace in the cat 」と題された本展はキルケニーと京都のふたつの町で描かれた8点ほどのキャンバス作品と、20点あまりの小作品、そして2点の映像作品で構成される予定です。

スケジュール

2021年9月10日(金)〜2021年10月9日(土)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.mahokubota.com/ja/exhibitions/3287/
会場MAHO KUBOTA GALLERY
http://www.mahokubota.com/ja/
住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-4-7 1F
アクセス東京メトロ銀座線外苑前駅2出口より徒歩6分、東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A2出口より徒歩11分
電話番号03-6434-7716
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