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飯沼珠実 「JAPAN IN DER DDR -東ドイツにみつけた三軒の日本の家」

ニコンプラザ東京
終了しました

アーティスト

飯沼珠実
パンデミックにより世界中の都市から旅行客の姿が消えてしまった年であるが、本年度の受賞対象となった展覧会は、飯沼珠実がドイツ民主共和国(旧東ドイツ)に建設された高級ホテルを撮影した作品となった。ライプツィヒ、ドレスデン、ベルリンの3都市に建設された3軒のホテルは、鹿島建設が1970年代に東独より受注したものだ。冷戦期間に日本の建設会社により完成した建築という歴史に興味をもった飯沼は、当時の関係者に会って話を聞くいっぽう、街のスナップを撮ることで都市と自身の接点を見出そうと試みた。また、オーナーを代えつつも今日も独特のオーラを放つ建築を丁寧に写し撮り、5冊のアーティストブックとしてまとめ、これを「Japan in der DDR - 東ドイツにみつけた三軒の日本の家」というプロジェクトとして発表した。
リサーチを重視しそのプロセスも含め作品化するのは現代写真にとどまらず、今日のアートにおける大きなトレンドとも言えるが、飯沼の場合これまで一貫して「家」としての建築、すなわち人間が作り住まう建築の「経験」としての側面に注目してきたことが、本作品の説得力のひとつであろう。プロジェクト自体の発表はベルリンの壁の崩壊から東西ドイツ統一30周年という節目とも重なり、そうした大きな歴史に個人的なストーリーからアプローチする姿勢が、現代写真の方法論として生きていることが了解される。また本作では飯沼自身が暮らしたライプツィヒに、自分の家を見つけ住まう経験も重なっている。建築をとらえる独特の視点は、歴史と日常的経験を柔らかく結び合わせる言語感覚と呼応しており、新鮮である。プリント、タイポグラフィ、デザインを含み、写真を立体的に見せる総合的なアプローチも高く評価され、受賞に至った。

会場: ニコンサロン

スケジュール

2021年4月13日(火)〜2021年4月26日(月)

開館情報

時間
10:3018:30
最終日は15:00まで
休館日
日曜日
年末年始・ゴールデンウィーク・お盆は休館
入場料無料
展覧会URLhttps://www.nikon-image.com/activity/exhibition/thegallery/events/2021/20210413_ns.html
会場ニコンプラザ東京
https://www.nikon-image.com/support/showroom/tokyo/event.html
住所〒163-1528 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー 28F ニコンプラザ新宿内
アクセスJR新宿駅西口より徒歩10分
電話番号03-3344-0565
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