ARTS ISOZAKI では2021年1月30日(土)から4月9日(金)まで、青山悟の個展「Everyday Art Market: Pop-up Store」を開催いたします。
青山悟は1973年東京生まれ。ロンドン・ゴールドスミスカレッジのテキスタイル学科を1998年に卒業、2001年にシカゴ美術館附属美術大学で美術学修士号を取得し、現在は東京を拠点に活動。工業用ミシンを用い、近代化以降、変容し続ける人間性や労働の価値を問い続けながら、刺繍というメディアの枠を拡張させる作品を数々発表しています。
国内では、新型コロナウィルスの感染拡大防止をめざして2020年4月に緊急事態宣言が発令されました。これまでの日常が突如として非日常となったこの時期に、青山は作品制作を日々の営為として捉え「Everyday Art Market」と名付けたオンラインストアを立ち上げ、ほぼ毎日新作を制作し、発表してきました。コロナ禍という非日常的な状況において、淡々と日常の制作/発表を続けるその姿勢には、多くの賛同や反響が寄せられました。
また美術館などの公共文化施設でもその活動が制限される中、青山は水戸芸術館のフェイス・スタッフ(館の受付・監視業務をおこなうスタッフ)との継続的なワークショップをおこなっており、刺繍表現を通じてスタッフの創造性や思考を刺激し、個々人が対外的に創造的な発信をすることを後押しする活動をおこなっています。
本展では「Everyday Art Market: Pop-up Store」と題し、「Everyday Art Market」のポップアップストアとしての展覧会を開催します。継続するコロナ禍において起きるさまざまな問題や事象を題材とした作品群は、現代社会の諸相を端的に示すとともに、作品制作を通じて社会状況に対して発信しつづけることの大切さを感じていただけることと存じます。