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[画像: 萩原英雄《追憶(A)》1986年]

萩原英雄 「心のむこう」

武蔵野市立吉祥寺美術館
終了しました

アーティスト

萩原英雄
※緊急事態宣言の発出にともない、4月25日(日)より当面の間、吉祥寺美術館は臨時閉館、音楽室も閉室となります。

「抽象作品を制作する時、私は、下絵になる原画を作らない」と萩原はいいます。「版の順番は頭の中で決める。版に直接別々の形を彫っていき、彫り上がったら、最初の版に、頭の中に描いた色を作ってつけ、摺り、次の版にまた別の色をつけて、摺り、また次の…と繰り返していって、最後の版を摺りおえると、出来上がっている」。萩原によると、それは「完成形」が既に頭のなかにできている、ということではありません。彼自身にも不思議だったようですが、はじめは漠としていたものが、「板をにらんでいるうちに見えてくるイメージに導かれて」制作をすすめるなかで、完成してゆきます。それはまるで、意志の以前に存するもの、心のむこうにあるものが、萩原の身体をとおって、純粋なままに画面に出現しているかのようです。

萩原は当初、写生を主眼として絵画制作に取り組んでいました。しかし1953年、結核を患い、療養所での生活を余儀なくされます。病身で写生もままならず、描くものへのアプローチのしかたを転換する必要に迫られた彼は、大きな決心のもと、「対象を見ないで描く勉強」に打ち込みました。そのことが、彼を「より内的な表現」に向かわせ、さらには、純粋であり無垢であるもの、「心でしか感じ得ない」もの―すなわち、彼がいうところの「抽象」―の表現へと深化してゆきました。萩原の不思議な制作工程は、そうしたなかで自然に成立したのでしょう。

一枚の平面のうえから展開される、はてしないひろがり。私たちは、萩原英雄が出現させるそのひろがりに身を置くことによって、私たち自身の心のむこうを感覚することになるのです。

スケジュール

2021年3月4日(木)〜2021年5月30日(日)

開館情報

時間
10:0019:30
休館日
毎月最終水曜日・年末年始は休館
備考
3月31日から4月9日・4月28日・5月26日は休館
入場料[常設展] 一般 100円 [企画展] 一般 300円、高校生・中学生 100円 [共通] 小学生以下・65歳以上・障害者手帳提示 無料
会場武蔵野市立吉祥寺美術館
https://www.musashino.or.jp/museum/
住所〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル7階
アクセスJR中央線・総武線・京王井の頭線吉祥寺駅北口より徒歩3分
電話番号0422-22-0385
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