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山下拓也 「マスコットたちとカニエ・ウェストとタコス男、他」
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山下拓也 「マスコットたちとカニエ・ウェストとタコス男、他」
トークンアートセンター
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アーティスト
山下拓也、倉知朋之介
Token Art Centerでは、2021年11月13日から山下拓也個展「マスコットたちとカニエ・ウェストとタコス男、他」を開催します。
山下は、展示空間の床を直接彫って版木にしたり、壁を文字通りくり抜いて素材にするなど、展示空間を作品が生み出される工房(あるいは後述のマスコットを召喚する場)のように扱い、そこで作成されたピースを組み立てて作られる脆弱な要素で構成された彫刻の大規模なインスタレーション作品などで知られています。
山下作品には、度々プロサッカークラブやオリンピック、ある町などの様々なマスコットキャラクターがモチーフとして登場します。誕生した当初は消費社会の中で様々な記号性を担ってこの世に生み出された彼らは、スポンサー企業の経営不振によるクラブの消滅や原発事故など様々な事情によって当初とは異なる状況に置かれた存在です。彼らは亡者ではなく、記号性をはぎ取られた剥き出しの存在、あるいは形態だけが保存された剥製のような存在と言えます。 山下はそのマスコットを、彼らが置かれていたコンテクストから切り離されたホワイトキューブなどの展示空間へと強引に引きずり出します。山下作品においては、それが存在している固有の場と、関連のない別の場所との往来が重要であるように思います。マスコットが本来の役割を持っていた場所、つまりその存在のアイデンティティと分かち難く結びついていた時空から、強引に切断させたり別の時空へと接続させたりすることによって、形態はそのままに別の存在へと操作し作り替えてしまうのです。 例えば、1999年のサッカークラブ「横浜フリューゲルス」消滅とともに表舞台から姿を消したマスコットキャラクター「とび丸」を扱った《雨に散る油feat.横浜の》2013。この作品も展示空間の床を版木として、その場で刷られた無数のペラペラなとび丸が空間中にふらふらと漂い、蛍光塗料で着色されブラックライトの下で発光するその半立体は、モニターなどからイメージがそのまま引き摺り出されたようにも見えます。 彼らは1999年以前から呼び戻され元の役割を取り戻し蘇ったのではなく、当時とは別の役割が与えられる可能性を留保したまま、抜け殻のように不気味にただ存在しています。当時大量生産されたのと同じように、あるいはモニターなど媒体を通して見る現実が実世界を凌駕していくかのように、空間は増殖したトビ丸で充満されています。ただしそれらは機械による大量生産とは異なり、作家の身体性が反映された手彫り手刷りの作業によって、サンプリング元からは歪に変化しています。そこではポップで微笑ましいマスコットの背後にいるそれを操作する人間の存在が見え隠れするのです。このように山下は彫刻や版画のメディウムや展覧会の制度の問題を遊ぶように扱いながら、軽やかに現代社会の問題へと接続させ、鑑賞者の私たち自身の問題として突きつけるのです。
今回の個展「マスコットたちとカニエ・ウェストとタコス男、他」では、サンプリングやループといったヒップホップ的な手法を用いて、イメージを加工、変容、増殖させていきます。 2021年東京オリンピック開催以前は街中に溢れていながら、終了後にはパタリと姿を消したマスコット「ミライトワ」。彼らを展示空間に無限に増殖させるインスタレーションをメインに展示。そのほか、ラッパーのKanye Westのリリックを引用した木版画、表現主義の画家Wilhelm Morgnerの版画作品を参照し、ギャラリーの壁を直接彫り版木にして制作する版画のインスタレーション、そしてアーティスト倉知朋之介と共同で制作するプロジェクション彫刻など、新作盛りだくさんの内容となります。ご期待ください。
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スケジュール
2021年11月13日(土)〜2021年12月12日(日)
開館情報
時間
12:00 〜 19:00
休館日
月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日
備考
土曜日・日曜日・祝日のみ開館
入場料
無料
会場
トークンアートセンター
http://token-artcenter.com
住所
〒131-0032 東京都墨田区東向島3-31-14
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アクセス
東武伊勢崎線東向島駅より徒歩8分、東武スカイツリーライン曳舟駅より徒歩10分、京成押上線京成曳舟駅より徒歩10分
関連画像
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#版画
#彫刻・立体
#インスタレーション
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