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[画像: Photo: Alastair Levy]

松﨑友哉 「Unmapped Territory」

Yutaka Kikutake Gallery
終了しました

アーティスト

松﨑友哉
松﨑友哉は1997年にイギリスに移住し、以来ロンドンを拠点にしています。長年にわたってその地で暮らし制作を行ってきた松﨑は、近年自身の作品における色彩の選択に、イギリスの絵画の系譜(とりわけ1920年代から1960年代にかけてイギリス西南部の港町セント・アイブスで特筆すべき活動を展開したセント・アイブス派)を見出すとともに、イギリスの天候、そしてそこに住まう人々との間で交わされる感情の往還も影響しているのではないかという認識にいたったといいます。

移民としてイギリスで生き続ける松﨑は、イギリス社会における見えざる階級意識やそれに裏打ちされつつ展開される美術の歴史に対して、客観的でユーモラスな視線を持って対峙します(「疾駆」ホームページに掲載の松﨑友哉の連続エッセイ「C.L.A.S.(S)」を是非ご一読ください)が、しかし一方、長年にわたる暮らしのなかで自身に染み付いたその地の風景=ランドスケープ(松﨑はそれを、視覚的に認識するものではなく、場所で受け取る感覚によって生じる抽象的なものであると言います)は、確実に松﨑の作品にも影響を与えています。移民として階級社会のなかにおけるよそ者として存在しながらも、同じランドスケープのなかにいる松﨑だからこそ生み出すことのできる、絵画空間があるといえるでしょう。

20世紀のイギリスのアートヒストリーには、他国のような華やかさはなく、イギリスの典型的な曇り空のようなどんよりとした感覚が通底しているようだとも松﨑は付言します。どんよりと雲に覆われていることで生まれることのない影(影は光があることで生じるとひとまずはいえます)、人の意識にも存在することのない影(それはつまり影しかないというニヒルさにも通じるでしょう)は、ひるがえってランドスケープに転写され、どこかメランコリックな“心象風景”を生み出すにいたるのです。

松﨑自身によって形作られた厚みを持った石膏の両面に描かれ、鑑賞する場所に応じて表情を変化させる作品が連続する空間は、鑑賞者にどのようなランドスケープを伝えるでしょうか?

本展は、2022年にYutaka Kikutake Galleryで開催予定の松﨑友哉と、イギリスを拠点に活動し彫刻的なインスタレーション作品を多数発表し高い評価を得るAnne Hardyとの2人展へと接続されていく展覧会です。

スケジュール

2021年9月8日(水)〜2021年9月22日(水)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
備考
開廊時間 12:00〜18:00
入場料無料
展覧会URLhttp://www.ykggallery.com/exhibitions/tomoyamatsuzaki_unmapped-territory/
会場Yutaka Kikutake Gallery
http://www.ykggallery.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2F
アクセス都営大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅1a、1b出口より徒歩1分
電話番号03-6447-0500
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