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山ノ内陽介 「深淵まで」
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山ノ内陽介 「深淵まで」
Room_412
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アーティスト
山ノ内陽介
本展は山ノ内が東京藝術大学の修士2年となった昨年から、今年3月の修了制作に向け構想してきた「絵画の表層(皮)」シリーズと、現在進行形で研究中の抽象絵画のシリーズ、さらに、山ノ内作品の根源的な部分であるストロークの美しさを追求してきたポートレートペインティングシリーズの3シリーズで構成される。
「皮」は文字通りオイルの膜を利用した造形的技法で制作されるシリーズであり、本展の展示構成において中心となっている。絵の具と油の配分を調整し、一度パネルに描いたものを内部が乾く前に表面だけ剥ぎ取ることで異質な存在を放つ「皮」が生まれる。この異質な「皮」は強烈に空間における視線誘導を引き起こし、鑑賞者と支持体との間の「ズレ」による違和感から、どこか居心地の悪さと、逆に目について離れないような相反する感覚の揺さぶりをもたらしている。また、修了展で発表した抽象的な図像作品は、ある意味この「皮」を中心とした視覚の揺さぶりを中和し、不安定な場にピリッとした空気をもたらす役割を担っていた。現在進行形で取り組んでいる新しい展開でもある。
そして、ポートレートシリーズは山ノ内の共通した特徴でもある「表情のない」ものとなり、顔の中身は大胆な筆致により塗りつぶされている。このストロークにはある意味感情を乗せ、無表情の先の見えない心象を炙り出すかのように描かれており、無い表情の奥に吸い込まれるかのような没入感を獲得した、ブラックホールのような絵画となっている。
これらの技法は現在進行形で進化しており、素材として「皮」を剥がされた残骸を活かした作品や、下地を描いた後で上から重ねて二層目を描き、乾ききる前に二層目の一部を削り取ることで一層目の下地を露出させるような複層的な作品など、多様な表現の振り幅に可能性を見出している最中だ。
今後は抽象の表現にも力を入れ、さらなる技法の探求に向かっていく、まさに過渡期となる作品群である。
今回、主に2020年以降の山ノ内の技法への探求成果を公開するとともに、現在進行形で絵画に挑み続ける彼の眼差しを追いかけるための入口となっている。
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スケジュール
2021年5月11日(火)〜2021年5月23日(日)
開館情報
休館日
イベントにより異なる
備考
開廊時間 11:00〜20:00
入場料
無料
会場
Room_412
http://room412.jp
住所
〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町15-8 高木ビル412号室
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アクセス
JR渋谷駅西口より徒歩10分
電話番号
050-5319-8428
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#絵画・平面
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