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[画像: “命あふれる “ 麻紙に岩絵具、銀箔、金箔 162×130.3cm 2021]

井口信「命あふれる」

s+arts
終了しました

アーティスト

井口信
和紙に岩絵の具や箔などを用い、伝統的な日本画の技法で独自の世界を創り出す井口信は、日々の生活の中で感じた自然の美しさや畏怖、生命の輝きを動物の形等を組み合わせることで表現しています。作品を通じて、年齢や性別、国境など、様々な垣根を越えた人間の根底にある美意識に働きかけるような作品を描くことを目指しています。

井口の作品に描かれる様々な動物や樹々はいつも、穏やかに凛とした振る舞いで画面に現れ、まるで何かを守っているかのような神秘的な印象を受けます。本展のメイン作品であり、展覧会タイトルでもある「命あふれる」では、特に自然が持っている命のエネルギーや神秘性をテーマに、神格的な印象をもつ鹿と木や春の植物などを組み合わせて描かれています。また、自然の美しさを追求するためにスケッチを重ね、作品に落とし込むようにして描いていることで、マチエールの豊さと作品の繊細さがより一層惹き立てられているようです。これまでの井口の作品は、縄文土器や洞窟壁画など原始芸術を想起させる波紋のような渦巻きが、モチーフとなる動物や樹々を取り巻くように描かれていたのが印象的でしたが、今回の作品では、様々な草花が細かいタッチで描き込まれ、各作品に散りばめられています。

「新型コロナウィルスの全世界的な流行によって、世界は一変してしまいました。今年は昨年に増して、作品制作の更なる根底に意識づけられていると思います。緊急事態宣言下、遠出できない代わりに近くの森林や公園を散歩することが多くなりました。自然の中の木々や草花に目を向けると、何事もなかったかのように日々刻々と変化し、躍動する命の姿がありました。今、コロナ禍による閉塞感や日々の様々な不安が取り巻く社会の中で、私が身の回りの自然から、確かに感じ取た、溢れんばかりの命のエネルギーを絵に表現したい。そんな気持ちで制作に打ち込みました。」--- 井口信

優しく時には愛らしい印象のモチーフと日本画特有の物質感、そして井口の技術と感性が混じり合いながら描き込まれた植物や花々が融合し、「静かに躍動している命」と言う井口の表現に相応しい新作群となりました。まさに作家の想いが溢れているかのような印象を受ける本展を、是非ご高覧頂きますようお願い申し上げます

スケジュール

2021年10月29日(金)〜2021年11月7日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
会期中無休、不定休
入場料無料
会場s+arts
https://www.splusarts.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F
アクセス都営大江戸線六本木駅7番出口より徒歩3分、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口より徒歩5分、東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口より徒歩6分
電話番号03-3403-0103
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