終了した展覧会・イベントです
[画像: Kyoji Takubo, Camélia 2021-#10, 2021, ©Kyoji Takubo]

田窪恭治 「Camélia」

KOTARO NUKAGA
終了しました

アーティスト

田窪恭治
※KOTARO NUKAGA(天王洲)は一時クローズしておりましたが、5月12日(水)から展覧会を再開いたします。開催中の展覧会については、6月5日(土)まで会期を延長して開催します。

KOTARO NUKAGAでは、田窪恭治個展「Camélia」を2021年4月17日(土)から5月22日(土)まで開催します。今回の個展では、ヤブツバキをダイナミックに表現した切り紙絵13点を発表いたします。

田窪恭治は、多摩美術大学絵画科在学中に開催した初個展「イメージ裁判」(1971)で、ポストもの派世代を代表するアーティストとして注目を集めました。その後、表現の対象に身体的なアクションの軌跡を写しとった《OBELISK》(1979)などを経て、《巨船アルゴー》(1983)に代表される、廃材を用いたアッサンブラージュへ移行、1984年にはヴェネチア・ビエンナーレに日本館代表として参加、同シリーズを発表します。1987年に世田谷美術館で公開制作された《日常ー時間の層へ I・II》は、自宅のアトリエを再構成した作品で、作品領域は建築にまで拡張していきます。

その後の田窪のターニングポイントとも言える《絶対現場 1987》は、再開発により取り壊される木造住宅2棟を梁と柱を残して丁寧に解体し、床面に新たにガラス板を張って来訪者がその上を歩いて体験したのちに全てが解体される作品で、日常風景から姿を消した後も、その記憶は写真家の安斎重男によりアーカイヴとして留められました。これは、建築家の鈴木了二と安齊との協働作業によるもので、その後田窪の代名詞となる再生プロジェクトにもつながっていきます。時を同じくして訪れたフランスのノルマンディー地方で廃墟寸前の礼拝堂に惹かれ、11年がかりの再生プロジェクトを指揮することに。言語や文化の壁を乗り越えながら、資金調達から礼拝堂の再生作業、壁画制作まで、地域の人々と協働して作業を続け1999年に完成を迎えます。見事に再生を果たし村人たちに愛された礼拝堂再生プロジェクトの功績を高く認められ、フランス政府から芸術文化勲章オフィシエを授与されます。

帰国後の2000年には香川県金刀比羅宮の文化顧問に就任、琴平山再生計画に着手。2004年に大遷座祭を終えた後、白書院の襖一面にヤブツバキの花を力強いタッチで描くとともに、カフェ・レストラン「神椿」の建築デザインと壁画制作を手掛け、歴史ある土地の持つ生命力を圧倒的なスケールで表現してみせるなど、現在も精力的に制作活動を続けています。人間が他の生物に敬意を払って共存しながら、他の要素を取り入れたり組み換えることで立ち現れる新たな風景、つまり「風景芸術」を生み出すことで、既存の世界と一見変わらぬようでいて、全ての生物が豊かに暮らせる総合的な世界が完成する、と田窪は考えます。「風景芸術」は、作家が制作を終えた後も、表現の現場という役割を担い存続していくのです。

今回発表されるのは、ヤブツバキをモチーフに描いた新作の切り紙絵のシリーズです。琴平山再生プロジェクトで訪れた、温暖な気候となだらかな稜線の小島が浮かぶ瀬戸内海ならではの穏やかな風土。それと呼応するようなヤブツバキの凛とした佇まいからこの土地の性格を読み取り、「まさに有るが如き花」だと感じ、とても大切な素材になったといいます。特徴的なセピアカラーのドローイングや天然石を用いたモザイク作品など、素材や手法を変えながら田窪作品に繰り返し登場するモチーフです。特別な思いの込められたヤブツバキが、田窪が心新たに取り組む「風景芸術」の幕開けを鮮やかに彩ります。ぜひご高覧ください。

※小林万里子「オーバーストーリー」を同時開催致します。

スケジュール

2021年4月17日(土)〜2021年6月5日(土)

開館情報

時間
11:0018:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
会場KOTARO NUKAGA
https://www.kotaronukaga.com/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 3F
アクセスりんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩9分、東京モノレール天王洲アイル駅南口より徒歩10分、京急本線新馬場駅北口より徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩4分
電話番号03-6433-1247​
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