終了した展覧会・イベントです
[画像: 近藤亜樹《星、光る / Stars, Sparkling》2021 acrylic on panel 227.3x545.4cm ©Aki Kondo courtesy of ShugoArts]

「近藤亜樹─星、光る Aki Kondo ─ Stars, Sparkling」

山形美術館
終了しました

アーティスト

近藤亜樹
近藤亜樹(1987年生まれ)は2012年に東北芸術工科大学大学院を修了し、現在山形を拠点として活躍するアーティストです。在学中より卓越した才能を評価され、卒業年の2012年にはサンフランシスコのAsian Art Museumで開催された展覧会Phantoms of Asia : Contemporary Awakens the Pastにおいて、15カ国、31人のアーティストのうちの一人として参加しました。このように近藤の活動は早くからグローバルな展開をみせ、大学院修了後は東京を拠点として台湾、香港、ロンドン、イタリアなどへと広がっていきました。近藤の活動は絵画を中心にしながら、建築や音楽などの分野とも交差します。その制作の分岐点となったのは、在学中に体験した東日本大震災です。震災による痛ましい犠牲と接し、その想いは実写と14,000カットあまりの油絵によるコマ撮りを組み合わせた初の短編映像作品『HIKARI』(2015年)に昇華し、高く評価されました。

そしてもうひとつ大きな分岐点となっているのが、最愛の夫君を突然亡くすという悲痛な出来事と、その後生まれ故郷の北海道に居を移しての出産と息子との出会いです。現実をまっすぐに受け止めて制作を続ける近藤の作品は、昨今のコロナウイルスによる非常時も経て、いっそう日常のなかの幸せに正面から取り組んだものが多くなっています。

2021年春、近藤は初の作品集の出版と都内4ヶ所での大々的な個展「ここにあるしあわせ」を開催し、大きな反響をよびました。そして母校のある山形に戻り、家族と暮らしながら新たな制作を行っています。

この展覧会では学生時代に制作した作品とともに、あらたな環境で生みだした新作群を公開します。学生時代の作品は、当館にもゆかりのある高橋龍太郎コレクションより《ウータン山》(2010年)、《くらいところでまちあわせ》(2011年)、《たべる地球》(2012年)などの大作を含みながら、これまであまり美術館では紹介されてこなかった紙の作品も取り上げます。また会期中は『HIKARI』の上映も行い、現在の近藤亜樹をかたちづくっているものを来館者に体験してもらう機会とします。

新作では「ここにあるしあわせ」でも登場していた花や身近なモチーフをさらに進化させ、いのちあるものすべてが歓び、謳い、そしていずれは輪廻する、独自の生命賛歌が編まれています。震災以後、近藤亜樹が一貫して取り組んできたものが、希望の光であったと考えると、この新作でも作家の想いが迷いなく表現されているといえるでしょう。展覧会タイトルともなっている《星、光る》(2021年)は幅5.4メートルの大画面に、抱き合う親子を花の海を泳ぐような人物やいきものたちが守っているようにもみえます。いまここにあるいのちを謳歌するいきものたちの姿にいつしか観ているわたしたちも引き込まれていきます。

美術館では初の個展となります。「生きている人にもいつか生まれ変わる人の心にも届く、祈り、蘇るような百色の光の展覧会にしたい」と語る近藤亜樹の世界を、幅広い世代に観ていただき、それぞれの光を感じていただきたい。それが展覧会を通した願いです。

スケジュール

2021年11月5日(金)〜2021年11月23日(火)

開館情報

時間
10:0017:00
(入館は16:30まで)
休館日
月曜日
(祝日の場合は翌日)
年末年始休館、展示替えなど臨時休館
備考
11月8日・15日は休館
入場料一般 1200円、大学生・高校生 800円、中学生・小学生 400円
展覧会URLhttp://www.yamagata-art-museum.or.jp/exhibition/4337.html
会場山形美術館
http://www.yamagata-art-museum.or.jp/
住所〒990-0046 山形県山形市大手町1-63
アクセスJR山形線・左沢線・仙山線山形駅東口より徒歩15分、JR山形駅東口よりバス(「天童」または「山寺」行き)「美術館前」下車徒歩3分
電話番号023-622-3090
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します