多猪四郎監督の映画『怪獣総進撃』が、欧米に輸出する際に名付けられた洋題を引用しています。1973年、同映画から影響を受けたマイク・ケリー、ジム・ショーというふたりの現代美術家は、自身らが結成したロックバンドに「Destroy All Monsters」と命名しました。さらに後になって、国内ファッションブランド、ヒステリックグラマーがバンドの写真やイメージをデザインとして用いることによって、この名は再認知されるようになっていきます。本展はSF映画という欧米のフォーマットが輸入され、日本で制作されたものがまた輸出され、さらに別のものとなって往復していくことにちなみ、浸透と変容のキャッチボールから日本文化の現在を探り、コロナ禍における文化の遮断、分断、破壊からの復興を思考します。