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片山穣 「Chill」
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[画像: 片山穣 “ Highway ” 綿布に染料 86×330×35cm 楕円 2021 (部分)]
片山穣 「Chill」
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アーティスト
片山穣
ろうけつ染めに独自の技術を加えた染色技法で作品を制作している片山穣。
多くの制約が伴う中で綿密に計画され、幾度にも繰り返される染色の作業工程と、それを成し遂げられる片山の技術と器量によって、何層にも絵柄が重なり、繊細な作品の表情を出すことを可能にするアーティストです。絵画とは異なり、「染め」は色を重ねても表面に凹凸が出来ません。しかしながら、何度も重ねられた色が糸の中に染み込み、制作過程で試行錯誤をした痕跡が生地の表面に現れることで、染料ならではの発色と柔らかで深みのある表情が作られるのです。
我々の日常は昨年で大きく変わりました。制限の多くなった世の中でより息苦しさや生き辛さを感じ、閉塞感の強い状況下に置かれていると片山は言います。作品を発表する上で今、何が出来るかを考えた結果、本展「Chill」にて重きを置くのは、静謐な空気感を描くことで鑑賞者が一息つける穏やかな空間です。
「私にとって心地の良い空間、時間とは一人の時間なのですが、現代では通信手段の発達により何処にいても心理的に完全な一人という状況は無いのかもしれません。そんな中、人との繋がりを直接持つ事が憚られる世の中になり直接的な接触以外にも心理的に人の存在を求めているのだと感じました。ぼんやり風景を見ている時目の前に誰も居なくても、アスファルトの道路、車、電柱、ビル群、照明、均一に並べられた人工物……そこらかしこに人の営みが見えてきて何者かの存在を感じます。そして自身も他者の日常の風景を彩る内の一人であることを意識させられます。無意識の強迫観念や同調圧力から解放されて風景に溶け込む多数の個の一つとして在る事で、間接的な人の温かみと自らを恃む気持ちを思い出すのかもしれません。
また、描くということは私にとっては目の前の現象以外のあらゆる思考からの現実逃避でもあります。生地を染めている時、蝋を置いている時、手元の細やかな仕事をしている瞬間、何者でもない自身の在り様に溜飲が下がります。単純な行為の集積と私自身の実体験に基づく感覚を生地に浸透させて、静寂と心地よい孤独による胸が凪ぐ感覚を込めました。」---片山穣
これまで、現代社会を生きる人々の「心の内」を動物の姿を用いて表現してきた片山が、本展では視点を変え、様々な「心の内」を寛大に受け止め包み込んでくれるような景色を軸に、作品を展開いたします。塗り潰しのきかない自身の制作方法と、やり直しのできない世の中で踠き苦しむ日々を重ね、それでも目の前にある現象と対話することで新たな発想を得て、乗り越えた先に想像した以上の表現がある事を信じ、制作を続けています。
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スケジュール
2021年2月26日(金)〜2021年3月14日(日)
開館情報
時間
12:00 〜 19:00
最終日は17:00まで
休館日
会期中無休、不定休
入場料
無料
会場
s+arts
https://www.splusarts.com/
住所
〒106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F
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アクセス
都営大江戸線六本木駅7番出口より徒歩3分、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口より徒歩5分、東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口より徒歩6分
電話番号
03-3403-0103
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