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[画像: 藤井蓮 □「 真竹 」洋紙に不透明水彩による貼り絵、920×530mm]

藤井蓮 「音沙汰」

ギャラリーHANA 下北沢
終了しました

アーティスト

藤井蓮
このかたまりは一体何だろう。黒と白と、けばけばとした管。ボリュームがあって、生き生きとしている。抽象画に見えるが、そういうわけでもない。でも、絵画というのは、本来そこにはない抽象の産物でもある。そんなことを思い出させる。いつかこんな黒々とした生き物に、出会ったことがある気がする。

藤井蓮さんは、日本画家とテキスタイル作家の家庭に生まれ、自身は日本画材と洋紙を使った貼り絵を長年描き続けている。最近は出身地である京都から離れ、山陰の自然豊かな地で制作を続けている。

ギャラリーHANAでは2年ぶりとなる今回の個展では、そんな暮らしの中で出会った鳥、動物、花、野菜といった作品を出す。ここに載せた『真竹』は、その中でも特に思い入れの強い一点だ。春先の限られた期間にしか採れない状態の筍だという。

「筍掘りで感じるのは、何故あれだけ細く長い竹が不安定な斜面で平然と立っていられるのかという事。それだけ地中深くに根を張って、他の木の根や石なんかと複雑に絡み合っている訳です。太陽の光の中でみるその色は特別で、筍の白い肌や、根に仄かに色づく黄色、青紫やピンクはすぐにくすんでしまうので、帰ってすぐに色紙を探して貼っていきました。そこからえんえんと貼り続けて、完成です」(藤井蓮)

そうやって作家の作品に描かれる小さな生き物は、どこか愛らしくもある。金魚や、椿、蛙や鶏。そこにあるのは、同じ環境に過ごす生きものへの、真摯な視線なのだろうか。こちらを見つめるものもいれば、ただただ佇むものもいて、色々な呼吸がしている。

本展では、そんな作家の今の到着点といえる約30点が並ぶ。「貼り絵」というある種、立体的な画をものする作家ならではの、洒脱なしつらえも楽しい。是非お越しをとは声高に言いにくい昨今ですが、街中ではなかなか出会えない“生”なものを味わいに、お立ち寄りいただければ幸いです。

スケジュール

2021年5月22日(土)〜2021年5月30日(日)

開館情報

休館日
イベントにより異なる
備考
開廊時間 11:30〜19:00、火曜日は休廊、最終日は17:00まで
入場料無料
展覧会URLhttps://www.g-hana.jp/2021/05/otosata/
会場ギャラリーHANA 下北沢
https://www.g-hana.jp/
住所〒155-0031 東京都世田谷区北沢3-26-2
アクセス小田急線・京王井の頭線下北沢駅北口より徒歩5分
電話番号03-6380-5687
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