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[画像: あごぱん “ 飛瀧権現曼荼羅 ” ボールペン、アクリル、水彩紙、パネル 116.7×91cm 2021]

あごぱん 「神々の水遊び」

s+arts
終了しました

アーティスト

あごぱん
s+arts (スプラスアーツ)より、パンダ絵師あごぱん個展「神々の水遊び」の開催をお知らせいたします。様々なパンダとそれを取り巻く出来事を、豊かな色彩と独特の構図で大胆に表現するあごぱん。独自のタッチとユーモラスでポップな表現から、近年アジアを中心に国内外で人気を高めている作家です。人物の姿で描くと生々しい事象も、「かわいい」「免罪符的」な動物と捉えるパンダの姿に変換して表現することで、観る者が受け入れ易く、強いては表向きの姿にだまされ易い「人の目の不確かさ」に気付くことができるかもしれない、という想いから制作を続けています。
2020年は、新型コロナウィルスによって人類の歴史と記憶に強く残る年となりました。発覚から1年以上経った現在も尚、その脅威は収まることを知りません。我々の生活様式も変化し、以前よりも手洗い、うがい、消毒の欠かせない日々を送ることになりました。そのせいか、季節の変わり目に風邪を引いたり体調を崩したりすることが、実は昨年は無かったという人も、少なくはないでしょう。手洗いをしながら、「この蛇口から出る水は本当に神さま仏さまだなぁ…。」と思うようになったとあごぱんは話します。例えば、神社仏閣巡りをする際にまず手を潔めるものは水であり、ウィルスを洗い流すものもやはり水です。昔の人々も、水で手を潔めることで、鬼や邪、穢れを祓うという意識を持っていた事実があり、それはコロナのような疫病に有効な手立てであることを無意識のうちに行なっていたことになると言えるでしょう。
本展のメインとなる作品「飛瀧権現曼荼羅 (ひろうごんげんまんだら)」は、昨年11月に和歌山県熊野三山、那智の滝をメインの目的に旅をした事から着想を得たものです。本来あごぱんが5月に予定していた旅でしたがコロナで行けず、悩んだ末、少し落ち着いてきた11月に実行した旅でした。熊野詣では、古来、蘇りの旅と言われ、極楽往生の予行演習のような意味合いがありました。黄泉の国へ行き、生まれ変わって現世に戻るイメージで旅をするのです。熊野詣でを解説する熊野比丘尼(くまのびくに)などが、那智参詣曼荼羅や、熊野勧進十界曼荼羅という大きな絵を持って全国各地をまわり、熊野詣でをする事のご利益を説いたと言われています。この那智参詣曼荼羅と、熊野勧進十界曼荼羅が、本作品が生まれる大きなヒントとなりました。もともと神社仏閣巡りが好きなあごぱんですが、そこまでして熊野詣でに行きたかった理由を、潔めの水に触れ、無意識に単純に穢れを祓いたかったからなのではないかと彼は振り返ります。
「コロナウィルスは、人間の嫌な部分をこれでもかというくらいに浮かび上がらせ、我々の世界が、いかに脆い砂上の楼閣かということに気づかせてくれました。人と人との疑心暗鬼、マスクの買い占め、食品の買い占め、言われなき誹謗中傷、政治の無策、弱いものが救われない社会。目に見えない何かに怯える人間の小ささを分からせてくれました。ある意味戦争のような、目に見える地獄を出現させたのです。コロナの騒動は数年後には収まるかもしれませんが、驕りたかぶった人類へのこの強烈な警告は、胸に刻まなければならないでしょう。この(もちろん私を含め)驕りたかぶった、愚かで救いようがないけれど、どこか憎めない、愛すべき人間たちをパンダの姿に置き換えていつも描いているわけです。」---あごぱん
邪気祓いの意も込めた潔めの水や龍と、七福神のような、ある意味で人間の望む欲望丸出しの神々を交え、欲深い人間の面白さがコミカルに描かれています。時代の今を、パンダ達の姿に包み表現している、あごぱんの新作展を是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。

スケジュール

2021年4月16日(金)〜2021年4月25日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
会期中無休、不定休
入場料無料
会場s+arts
https://www.splusarts.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F
アクセス都営大江戸線六本木駅7番出口より徒歩3分、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口より徒歩5分、東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口より徒歩6分
電話番号03-3403-0103
関連画像

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