吉田萠「蛙犬 Rana Cane」

GALLERY TAGA 2

終了しました

アーティスト

吉田萠

吉田萠は、記憶やアイデンティティの構造とその視覚化をテーマとし、それらと密接に関係する“物語る方法”、”物語る身体性”について様々なジャンルを通して表現してきました。

今回は、吉田とその姉が幼い頃恐れていたRana(蛙)とCane(犬)をモチーフにしたマリオネットとそのパフォーマンスを軸に展開するプロジェクトの中から、インタラクティブ彫刻/マリオネットの《蛙犬》と、この彫刻から派生した版画、ドローイング、そして関連彫刻一点を展示します。

マリオネットのパフォーマンスは、昨年コロナ禍のため中断を余儀なくされたイタリアでのアトリエレジデンスをきっかけに開始したもので、任意の3名が長い柄につながったマリオネットを、一緒に動かしていきます。《蛙犬》と名付けられたこのマリオネットは、例えば実験や品種改良など、人間の一方的な視点、態度、理解が向けられる様々な動物の象徴でもあり、吉田は「彼らの中の、こちらに知るすべのないもの、故にかえりみられずに打ち捨てられてきたものが、このごろとても気にかかる」と話します。マリオネットをそれらの化身、未知の存在として造形化し、そして他者と言葉を介さずに、その理解を超えたもの、よくわからないものを通してつながる試みです。

会場ではこの《蛙犬》に加えて、その分解可能な部位を撮影、シルクスクリーン製版をつくり様々な動物が描かれたドローイングに印刷した平面作品シリーズ=《蛙犬》のための、言い表せないなにかを物語るための読めないことば、も同時展示します。

スケジュール

2021年10月9日(土)〜2021年11月1日(月)