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[画像: 谷充央《表裏 75-A》1975年 アクリル、キャンバス 個人蔵]

谷充央 「風景の表 / 裏」

武蔵野市立吉祥寺美術館
終了しました

アーティスト

谷充央
※緊急事態宣言の発出にともない、4月25日(日)より当面の間、吉祥寺美術館は臨時閉館、音楽室も閉室となります。

一貫して「表と裏」を主題に制作を続ける画家、谷充央(たにみつお、1945年生まれ)。

谷は、「人は“表と裏” “内と外” “陰と陽”あるいは“本音と建前”を使い分けながら、しかし常にその二面性を包含している“個”」であり、「そんな表裏を一つの面で同時に表現したい」といいます。

最初期には画布の表裏をモチーフとして “表裏があるもの”の形象を画面上に示していた谷ですが、次第に、画布の「裏」側から布地の目を通して「表」側に絵具を滲出させる、という手法を取るようになります。それは東洋絵画などにおける裏彩色とはまったく意を異にするもので、あくまで「表と裏」を同時に表現するための方法です。谷の絵画において表裏は同価であり、いうなれば、谷は「表」でもあって「裏」でもある絵画をつくりだそうとしています。

谷はしばしば、画題を“Landscape”としています。彼のいうlandscape(=風景)は、私たちの外側―当然「内」があっての「外」ですが―に拡がる様相やそのイメージを意味してはいません。「表」と「裏」とがつねに入れ違い立ちあらわれる谷の絵画において、landscape=風景とは、一方向から眺望されるものではなく、「表」でもあり「裏」でもある、あるいは「表」でもなく「裏」でもない、いわば全体です。それは、この現実世界において「表」と「裏」とを包含する私たち自身の在りようとも重なるのです。

本展は、無類なる画家・谷充央の初期作から最新作までを一堂に展観する初めての機会となります。アクリルや油彩などによる絵画、シルクスクリーンによる版画など約50点から、谷の仕事を紹介します。会期中には、〈ぎゃらりー由芽のつづき〉、武蔵野市民文化会館展示室においても特別展示をおこないます。

いまだ世界は不安のなかにありますが、この状況下に、谷の作品は、事象の「表」と「裏」を見据えることの意味を、あらためて私たちに教えてくれるはずです。どうぞご期待ください。

スケジュール

2021年4月10日(土)〜2021年5月30日(日)

開館情報

時間
10:0019:30
休館日
毎月最終水曜日・年末年始は休館
備考
4月28日・5月26日は休館
入場料一般 300円、高校生・中学生 100円、小学生以下・65歳以上・障害者手帳提示 無料
展覧会URLhttp://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/2021/03/post-187.html
会場武蔵野市立吉祥寺美術館
https://www.musashino.or.jp/museum/
住所〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル7階
アクセスJR中央線・総武線・京王井の頭線吉祥寺駅北口より徒歩3分
電話番号0422-22-0385
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