終了した展覧会・イベントです
[画像: 右: 岩江圭祐 “ 残視 #1 “ 鉄 8×8×8cm 2021 左: 長坂絵夢 “ material for material “ 鉄板、ベンガラ(硫化鉄) 30×35cm 2021(部分)]

岩江圭祐 + 長坂絵夢 「sign of existence」

s+arts
終了しました

アーティスト

岩江圭祐、長坂絵夢
s+arts(スプラスアーツ)より、岩江圭祐と長坂絵夢による二人展「sign of existence」の開催をお知らせいたします。
鉄を素材として扱い、平面、立体、インスタレーションなど様々な形態で作品を発表している両者。掲げるテーマや制作への姿勢は異なりますが、どちらも鉄という素材に秘められた可能性に魅せられ、その物質の特異性と自身の表現との交わりを確かめるようにして作品を成立させています。
岩江圭祐は、日常で感じる少しの違和感のようなものを手がかりに作品を制作しています。制作へのモチベーションは常に “無い” ことへの眼差しから始まり、目には見えないけれど感じる“もの”や“こと”が、在ることよりも豊かであるように感じると考えます。本展では、溶かした鉄を少しずつ溶接し、身の回りにある物のアウトラインに沿って囲っていく、という方法で制作された新作を発表いたします。内側のモチーフは制作工程で熱が伝わり、徐々に原型を失い、最終的には焼かれて無くなりますが、物が消失する引き換えに、作家の記憶には形のイメージがより強く残ると言います。内にあった輪郭のみが残ることで、モチーフと空間との曖昧な境界線ができ、それに伴う様々な記憶が想起されるのです。工業製品としての鉄のイメージは強固で無機質ですが、溶けると柔らかく、有機的な形が冷めて固まるまでの少しの間存在します。その刹那的なイメージを内側に在ったはずのものと重ね合わせているのです。人を含め、身近な存在が目の前から無くなることで初めて気付かされる強い想いや記憶があるということを、作品を通じて示唆しているようです。
長坂絵夢は、人と素材、その根源にある密接な関わりについて見つめなおす事を制作テーマとし、鉄という一つの物質から垣間見える生の姿に関心を抱き、素材として扱い続けています。生命において不可欠な物質であり、産業の基盤材料としてもなくてならない素材である鉄は、あらゆる形で我々の身近に存在しています。人々の暮らしや現代の風景を作り出してきた鉄は、生命の根源に繋がる物語を多く秘めていると彼女は考えます。本展では、2015年より制作を継続している「Fallen leaves -corrosion-」と平面による「Material for material」の二つの作品シリーズを発表いたします。鉄は朽ちればやがては土に還るという自然循環のサイクルや、長い時間をかけて地球に資源が生まれ、鉱石の層のような構造がつくられる、というような広大な自然の括りの中で、鉄の存在と我々との密接な関係性を見出そうとしている作品群です。鉄の強さや美しさに惹かれ拘る長坂の作品は、我々の生活が大自然に支えられ成り立っていることを改めて意識するよう、その存在を持って伝えてくれているようにも感じます。
二人の鉄の作家による新作展を、是非お楽しみください。

スケジュール

2021年4月30日(金)〜2021年5月9日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
最終日は17:00まで
休館日
会期中無休、不定休
備考
開廊時間 12:00〜18:00
入場料無料
会場s+arts
https://www.splusarts.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木7-6-5 六本木栄ビル 3F
アクセス都営大江戸線六本木駅7番出口より徒歩3分、東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口より徒歩5分、東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口より徒歩6分
電話番号03-3403-0103
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