松山智一 「Boom Bye Bye Pain」

KOTARO NUKAGA(六本木)

poster for 松山智一 「Boom Bye Bye Pain」
[画像: 松山智一 River To The Bank 2020 Acrylic and mixed media on canvas 182.0x280.0x5.1cm Courtesy of KOTARO NUKAGA ©Tomokazu Matsuyama]

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現代アートギャラリーKOTARO NUKAGA は、2拠点目となる新スペースKOTARO NUKAGA(六本木)を、2021年5月、東京都港区六本木のピラミデビル内にオープンします。

こけら落としとなる松山智一個展の「Boom Bye Bye Pain」という展覧会タイトルは、1992年にリリースされヒットした Buju Bantanのポップレゲエソング「Boom Bye Bye」と「Pain」という2曲のタイトルを松山が融合したものです。銃撃音を表す「Boom」と、それから連想される「Bye Bye」を掛け合わせるブラックミュージック特有のスラングは、アフリカ系アメリカ人たちがゲイの人々に発した差別的なメッセージという意味も孕んでおり、発表当時は物議を醸しました。巨大都市に生きるマイノリティが、自己肯定のために別のマイノリティを否定するという構造は、松山自身が人種差別を受けながらもアメリカ社会の中でアーティストとして活動するなかで逃れることの出来ない環境であり、それこそが痛み「Pain」を感じつつも生を実感させる現実でした。

本展を代表する作品となる㲉Spiracles No Surprises㲊は、馬に乗る人物が旗を持ち、もう1人が行く先を示す、松山の代表的なモチーフである騎馬像のシリーズです。歴史的に、強者や支配者の象徴として描かれてきた騎馬像を、鮮やかな色彩と古今東西の装飾柄や抽象的な表現で描くことにより、松山は時代を超えて繰り返し描かれてきたそのモチーフに込められた権威性を解体し、そこに新たな意味を与えます。騎乗する2名を取り囲む、非現実的で浮遊感のある世界観は、様々な文化が融合し、膨大な情報の中で現代社会を生きる私たちの脳裏にふとよぎる、「我々は何者で、どこに向かうのか」という問いを暗示するかのようです。ニューヨークという多様な文化的伝統が存在する民族混合地域で自身のアイデンティティの問題と常に向き合う松山は、マイノリティだからこそ見える視点と「私たち」という主語で鮮やかに社会を切り取ります。それは、松山が自身の経験を通して解釈するリアルな多文化主義を力強いビジュアルで軽やかに作品化する行為なのです。

大作を含む約15点の新作を発表する本展は、「どのような環境に置かれても生き残っていかなければならない、人間の根源的な営みと向き合いながら制作に取り組んできた」と語る松山にとって、創作すること、すなわち生きることの意味を改めて問いかける展覧会となります。

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スケジュール

2021年05月22日 ~ 2021年07月10日

アーティスト

松山智一

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