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[画像: 浜口陽三《メロンと筆》1955年]

浜口陽三 「黒のうちとそとに」

武蔵野市立吉祥寺美術館
終了しました

アーティスト

浜口陽三
※緊急事態宣言の発出にともない、4月25日(日)より当面の間、吉祥寺美術館は臨時閉館、音楽室も閉室となります。

浜口陽三のつくりだす黒は、天鵞絨(びろうど)のように私たちの視線を包みこみます。そして、私たちを画面のうちへと引きこみ、あるいは画面のそとに静かにひろがる空間を実感させるのです。

この浜口ならではの黒をつくるために、彼は、重労働である版の下地づくりを、決して職人任せにはせず自らの手でおこないました。「あえていうなら、ぼくの作品で大切なのは光かもしれない。闇に対する光という意味でね。だから闇、つまり黒の部分はもっと大切なんです」。

カラー・メゾチントの開拓者として名を知られた浜口。しかし、技巧としてはカラー・メゾチントのほうがより難しいけれども、作品の内容としては「黒は非常に難しい」と語っています。彼は木炭による素描にもさかんに取り組んでいましたが、それは、黒によって「あるものとあるものの区別」を表現することの修練である以上に、黒の奥ゆきを確かめる作業であったのではないでしょうか。

あわせて、今回は、“表”と“裏”を主題とする画家・谷充央(1945年生まれ)のシルクスクリーン作品をご覧いただきます。谷の色面は、通例シルクスクリーンの特徴であるきっぱりとした切れ味ではなく、視線をたじろがせるような朧な調子によって成りたっています。表か裏か、はたまた画面のうちかそとか。まさに白黒つけられない様相は、二元的な思考をほどいてゆくようです。

うち、あるいはそと、どちらか一方にとどまることなく、無限のあわいを往来する。その振幅こそ作品がもつ奥深さであり、ひいては生きることの豊かさなのかもしれません。

スケジュール

2021年3月4日(木)〜2021年5月30日(日)

開館情報

時間
10:0019:30
休館日
毎月最終水曜日・年末年始は休館
備考
3月31日から4月9日・4月28日・5月26日は休館
入場料[常設展] 一般 100円 [企画展] 一般 300円、高校生・中学生 100円 [共通] 小学生以下・65歳以上・障害者手帳提示 無料
会場武蔵野市立吉祥寺美術館
https://www.musashino.or.jp/museum/
住所〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル7階
アクセスJR中央線・総武線・京王井の頭線吉祥寺駅北口より徒歩3分
電話番号0422-22-0385
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