ギャラリー本城北浦亮子は昨年、弊店にて「ピアニシモ」と題する個展を行いました。キリスト教信者である北浦は、聖書や、トルストイの短編集などに登場する素朴な信仰の持ち主たちに憧れ、彼ら‘小さき者たち’を銅版画にしました。前回の展覧会で希望と憧れの対象として描いたもの達に対して、彼女は近頃憧れるだけではなく、自分もそのように生きられたら、という願いと祈りを抱くようになったと言います。
北浦が採用している技法は、銅版画です。銅版画でしか出せない線のかすれやにじみ、インクの盛り上がり、さまざまな技法による画面上の効果が、北浦が描こうとする物語や世界には最も適していると、彼女は考えています。
逆境にあってもそれを耐え、信じるものを支えに生きるもの達は、強く、あるいは優しく銅に刻まれた線と、インクが作り出す、ニュアンスに富んだ画面の中に描き出されています。
今展覧会では、キリストの受難から復活までの7点の連作をはじめとする聖書をテーマにした作品のほか、作家自身の日々の想いや、自分をとりまくさまざまな物語を描いた、銅版画作品と手彩色銅版画約30点を展示いたします。
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