ギャラリー本城人物・風景・静物を精緻に描いた梅津の具象絵画は、単に具体的な事物を再現したものではなく、「新たなシーンを創造する」ことを意図して創られたものです。
梅津がモチーフとして選ぶものは、彼にとって馴染み深いものばかりです。遠い昔に亡くなって実際に会ったことはないけれども、幼い頃からしょっちゅう眺めていた、一族の古い写真。窓から見える風景。自分が使用している食器。食べるもの。石鹸…。これらの一つ一つは彼にとって、さまざまな思い出や物語を呼び起こす、特別な存在です。しかしながら梅津は、モチーフにまつわる個人的なエピソードや感情を作品に込めるようなことはせず、絵と自分との間に距離を保つことを努めています。
技法は、油彩と、真鍮筆・銀筆による描法です。油彩の光沢があり過ぎる質感を好まない梅津は、作品を、紗がかかったような調子で仕上げます。真鍮や銀がペン先となっている筆はとても硬く、筆で刻みつけられたごく細い描線に真鍮や銀の粉が少しずつ入り込むことによって、色が定着します。水を使わないにもかかわらず、どこか湿り気を含んだように仕上がる金属筆による制作を、彼はとても気に入っています。
支持体のパネルには白亜が施され、ほうろう引きのような硬さと冷たさを感じさせますが、その上に表された画像は温かく柔らかで、一つの作品の中にさまざまな温度や質感が共存して、調和を保っているようです。
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