シュウゴアーツ今回の新作では「20世紀的なるもの」と「男たち」をキーワードに、つぎのようなテーマが展開されています。
1960年「浅沼稲次郎、山口二矢に刺殺される」
1963年「ケネディ暗殺犯オズワルドがジャックルビーに銃殺される」
1968年「ベトナム戦争下でのベトコン処刑」
1970年「三島由紀夫、自衛隊クーデター未遂」
題材はさまざまな男たちによる様々な事件を再構築してつくられています。それらは昨今のバーチャルな世界ではなく、血と汗と肉体が激突する世界です。そのぶつかりあいが烈しい火のように感じられ、20世紀を「烈火の季節」と呼んでみたかったと、森村はいいます。
20世紀の歴史は「男たち」によって象徴されると森村はいいます。「男たち」が働き、争い、建設し、瓦解させてきた歴史が、世紀を経て「女たち」の時代になった。これまで「美術史の娘」「女優」などのシリーズで「女たち」をテーマに西洋文化と日本の関係を「父と娘」に見立てその複雑な愛憎関係を解き明かした目線から、今回は急速に否定されるべき過去にされた「男たち」に視線を移し、20世紀をテーマに過去から未来までの人間の生き様を真摯に見つめます。
過去への畏敬と敬意なしには未来はありえないという、その関係性の中に現在はあるのではないか。真新しい21世紀的なものが猛スピードでつくられていく現在、「20世紀とはなんであったか」と問うことは、過去を顧みるのみならず現代、そして未来を問うことに繋がるのではないだろうか。過去を今現在に生きるひとりの表現者としての私(作家自身)という「器」にうつしかえることで、決して懐かしむためのものではない…。今までの作品とがらりと趣きを変えた今回の新作からは、森村の烈火のごとき熱い意欲が伝わってきます。
また、あわせて三島由紀夫を撮影した細江英公氏の写真作品「薔薇刑」(1963)を題材にした8点によるシリーズ「薔薇刑の彼方へ」も同時に紹介されます。以降、1970年の自衛隊クーデター未遂事件に至る三島の世界の変化と、1960年代から1970年にかけての激動の昭和史が重り、20世紀的な歴史の動きとして感じられます。三島による「細江英公序説」の一節、「写真とは記録性と證言性(証言性)の二者択一」というのは有名ですが、今回の森村の作品群からも同じ眼差しを感じ取ることが出来るでしょう。20世紀は写真にとって自己表出と記録の両面を担うメディアであったとも言えるからです
オープニング・パーティー: 11月11日(土)18:00-20:00
初日19時より10分程度のパフォーマンスあり
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