太田記念美術館山本昇雲(別号・松谷(しょうこく))(1870〜1965)は、 明治・大正のベストセラー雑誌である『風俗画報』の表紙や挿絵などに、四季折々の人々の暮らしや 街中の風景などを描いた風俗記録画家として活躍しました。 また、明治末には、「今すがた」や「子供あそび」、「四季のながめ」といった、過ぎ行く江戸の 情緒を含んだ美しい女性たちや、生き生きと元気よく遊ぶ子供たちを描いたシリーズなど、当時の 技術の粋を尽くした木版画作品を制作しています。 昇雲は、浮世絵が近代版画として変容せざるを得なかった時期、江戸時代からの 伝統を引き継ぐ浮世絵らしい浮世絵を手掛けた最後の絵師の一人であったと言えるでしょう。
かつて幻の画人と称されたことがあるほど、人々の記憶から忘れられつつあった昇雲ですが、 近年少しずつその評価が見直されつつあります。 しかしながら、その画業が正当に位置づけられているとはいまだ言いがたく、昇雲の活躍した東京で 大規模な遺作展が今日まで開催されていなかったというのが現状です。 そこで本展では、高知県出身である昇雲の作品を多数所蔵する高知県立美術館の 全面的なご協力のもと、同館のコレクションを東京において初めて公開いたします。 明治・大正の古き良き日本の風俗を描いた昇雲の作品の数々をご鑑賞ください。
展示期間:平成18年3月1日(水)〜26日(日), 4月1日(土)〜26日(水)
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