カスヤの森現代美術館今展は「dialogue(対話)」と題し、版画作家2名の作品を仕切りの無い同一空間にあえて対峙するような意識で展観します。個々の作品が同一空間にそれぞれの存在感を主張し、時には鑑賞者にある種の緊張感(武術の勝負のような)を与えながら、その作品同士の「dialogue(対話)」によって互いの魅力をさらに引き出そうとするものです。
池田良二氏はフォトエッチング(写真製版)の手法を用いて、モチーフとなる写真から喚起される「膨大な記憶・時間の層」をとらえ作品画面の上に再生(再構築)する。写真のある一瞬(すでに消えてしまった)から掘り起こされたされた記憶=時間は、作品の中で永続的に反すうされ生き続けている。池田氏は銅版画制作を通して「悠久の時間に存在し、介在する人間の意味」を問うている。
磯見輝夫氏は、杉板の版を数枚つなぎ合せるように刷り上げて行く事によって大きな画面を完成させている。複雑な墨の濃淡は、版の継ぎ目による境界線の表情や版ごとの刷り上がりの変化と共に画面全体に独自の重層的な空間とプロセスの堆積を感じさせる。「私にとっての木版画の可能性は、私の木版に向かう行為の中にある」という磯見氏の精神性がその作品には深く静かに表れている。木版画、フォトエッチング、それぞれの第一人者である両氏の作り出す世界にご期待下さい。
オープニング・パーティー: 4月8日(日)14:00~
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