ベイスギャラリー1968年生まれ、安田は「足の裏側」と言う下からの視点で写真、ドローイングあるいはそれとリンクした体験型のインスタレーションを展開してきました。
身体が最も接地する足―その裏側―は最も人の知覚を刺激するものだけに見る者に触りや肉体の発動を喚起させるもので大きな評価を得てきました(下記、セゾンアートプログラム、ポーラ助成プログラム他)。本展はここ数年ニューヨークに活動の場を移し発表を続けている作品を集めたものです。
都市はニューヨーク、香港、シンガポール、ソウル、東京で、そのいずれもビルの高層階から撮影されています。300葉に及ぶ風景―主としてビル―は作家の手元で切り取り加工を付され、あたかも挿花の趣さえ感じさせます。写真ならではの加工を付された鳥瞰の風景は見る者に、高所―異常な視点―を借りて奇妙な墜落の恐怖を呼び起こしたり、逆に飛翔の愉悦を与えたりするのです。
凡庸な美しい俯瞰の風景写真に比して、安田作品に向き合うと多くの知覚が覚醒されて見ることがいかに肉体の深部の知覚と不即不離であるか知らされます。かつて大地と接する足の裏からの問いかけは視点を天地逆転させて尚、繰り返し続行されていることになります。
屋上からの誘惑、私たちが見るというのはあらゆる肉体の知覚を総動員して感応する、安田作品の一見奇妙に見えるニューヨーク、香港、ソウル、東京は観光で消費された風景をそれぞれの個人の肉体に還元させる媒体だと言っていいでしょう。
本展はBASEGALLERYの初の安田佐智種展となります。どうかご高覧の上、広くご喧伝くださいますようご案内申し上げます。
[画像:「Flying #25」、2007、Digital Photograph 120 x 193.5cm (Edition 3/5)]
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