町田市立国際版画美術館本年2008(平成20)年は、江戸時代末期の人気浮世絵師である歌川広重(1797~1858)の没後150周年に当たります。当館ではこれを記念して、「浮世絵名品展 -没後150周年記念 広重とその時代-」を開催いたします。
広重は武家の出身ですが、浮世絵師を志して歌川豊広に入門しました。はじめ美人画や武者絵を中心に手がけていましたが、現在ではともに「歌川派三大絵師」と称される、歌川国貞(のちの三代歌川豊国)や歌川国芳と肩を並べるには至りませんでした。しかし、風景画に活路を見出したのをきっかけに評判を取りはじめ、保永堂(ほうえいどう)から刊行した「東海道五拾三次」シリーズの大成功によって、人気絵師の地位を確立しました。このシリーズの風景描写は、構図が計算し尽くされていながら人工的でなく、自然なたたずまいの画中人物も臨場感を盛り上げており、多くの人々の共感を得るものでした。その後も広重は風景画の名作を最晩年まで描き続け、郷愁あふれる画風は今もなお絶大な人気を誇っています。
この展覧会では、「東海道五拾三次」をはじめとする風景画や、歌舞伎に題材を取った「忠臣蔵」シリーズなどを通じて広重の画業をふりかえるとともに、国貞(三代豊国)と国芳の作品をあわせて紹介し、三者それぞれの個性を比較します。さらに、彼らの弟子たちの作品を加えた、総計約110点の館蔵浮世絵版画によって、幕末歌川派の絵師たちが繰り広げた華麗な世界をご覧いただくものです。
学芸員によるギャラリー・トーク
3月16日(日曜日)、3月29日(土曜日)、4月6日(日曜日)
[画像: 歌川広重 「日本橋 朝之景」(『東海道五拾三次』より)]
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