代官山ヒルサイドフォーラム本シンポジウムは、AITが現代アートの教育プログラム「MAD」や、キュレーターのためのレジデンス・プログラムを行うなかで、「キュレーターの役割が変わってきているのではないか」という疑問を出発点に、展覧会という形式を取らないキュレーションの可能性を探る試みです。
世界的に著名なキュレーター、ハラルド・ゼーマン(1933-2005/スイス生まれ)は、かつて、「キュレーターとは、エギジビション・メーカー(展覧会の制作者)である。」と表現しました。しかし今、現代アートを取り巻く状況が多様化し、私たちにこれまでにないアートの経験をもたらしているなかで、キュレーターの役割や実践は、「エギジビション・メーカー」の外にまで広がってきているとはいえないでしょうか。特に、制度に縛られない表現活動を行うインディペンデント・キュレーターの活動は、アーティストを選定し、展覧会を作るだけではなく、新たな考えや視点の発表、意見交換、遊び、実験、またはセラピーのように心身の安定を取り戻す場の創出をしているといえるでしょう。また、研究や資料編纂などにより、新たな経験や知を生み出そうとする活動もあります。
現在、「公共」という概念や空間そのものが経済の自由化政策によってすり減ってきているなか、多くの公立美術館においても、キュレーションのための研究や記録資料の構築に充分な時間と予算を確保することが難しくなっています。そのような状況では、現行の美術制度を超えて、調査研究を行なうキュレーターの活動は、より重要になってきていると考えられます。そこに、インディペンデント・キュレーターの「コミュニティー・オーガナイザー(コミュニティー形成者)」あるいは「パブリック・リサーチャー(公的な研究者)」といった、「エギジビジョン・メーカー」にとどまらない社会性を見出すことができるのではないでしょうか。
本シンポジウムでは、プレゼンテーション(配布資料付き)とラウンドテーブル・ディスカッションの2部構成により、国内に拠点をおいて活動する5名のキュレーターが、海外の動向にも目を向けながら、拡張しながら深化するキュレーションについて活発な意見交換を行います。
*要予約. 予約方法、詳細についてはサイトをご覧下さい。
スピーカー: 遠藤 水城 / Mizuki Endo (インディペンデント・キュレーター), 住友 文彦 / Fumihiko Sumitomo (AIT), 崔 敬華 / Kyongfa Che (インディペンデント・キュレーター), 花田伸一 / Shinichi Hanada (キュレーター), ロジャー・マクドナルド / Roger McDonald (AIT)
モデレーター: 小澤慶介 / Keisuke Ozawa (AIT)
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