ギャラリードゥポワソンこの度、ギャラリー ドゥポワソンでは、アムステルダムを拠点に国際的に活躍するスイス人のジュエリー作家、スザンネ・クレム(b.1965)の個展を開催致します。クレムは、アムステルダムの観光名所「飾り窓地区」を刷新するため市の政策として2008年から始まった「Red Light Design Project」で、今最も先鋭なジュエリー作家の一人として選ばれ、飾り窓付きの部屋に一年間限定のアトリエを構え、そのエネルギッシュな活動にさらに注目が集まっています。
ジュエリーとは、自らのメッセージや感情を伝える媒体であり、身につける人と他者との間にコミュニケーションを引き出すものと考えるクレムは、見る者の想像力を刺激するようなストーリー性のあるジュエリーを作ります。一つのテーマのもとに、異なる形、素材、技法を使った多様なアイテムをコレクションとして構成し発表しています。
クレムにとって、自然は尽きることのないインスピレーションソースです。季節の移ろいや、人の営み、花々といった個人的な視点で切り取った断片を、俳句のように無駄を削ぎ落としたミニマムな形で表現したいと語ります。具象的な素材からクレムのフィルターを通して抽出された要素に、イマジネーションが加わって生み出される造形は、ポエティックでありながらクールで、どこか毒を秘めたような独創的な世界観を織り成しています。
今回発表する新作『Frozen』は、植物のはかなさを永遠に凍り付かせたような、真っ白なジュエリーのコレクションです。どこか不思議な花や果実、枝の形をした16種のリングやブローチは、互いに響き合い、美しくも幻想的な物語を紡ぎ出します。自然物をモチーフにしながら、電気コードの外側に使われる合成樹脂という最も人工的な素材を使うところにクレムらしさが表れています。実際、熱を加えると縮むというこの素材の特性を活かし、ユニークなフォルムを可能にしています。生を受けた瞬間から成長と衰退を続ける植物は、時を止められることによって永遠に満開となり、ジュエリーとして着用されることで新たな花を咲かせます。
[画像: 「CAPSICUM」 合成樹脂、純銀]
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