東京都現代美術館東京都現代美術館では現代美術の各時代の動向を振り返り、その歴史的な意義を検証するために、日本のベテラン作家の個展を開催してきました。本展はその一環として日本を代表する作家、伊藤公象の35年間の歩みを紹介するものです。
伊藤公象は土を素材にした陶造形で知られる作家です。1932年に金沢の彫金家の長男として生まれ、十代の頃に陶芸家のもとに弟子入りしましたが、その後は伝統の世界から離れ、美術という概念を問い直すような新しい表現を土を素材にして追求してきました。ある時は土を凍らせ、ある時は乾燥による土の収縮や亀裂を創作に採り込むなど、自然現象を活かした独自の造形は早くから注目を集めました。1978年にはインド・トリエンナーレ、1984年にはヴェネツィア・ビエンナーレにそれぞれ日本代表として参加するなど、その活躍の場は国内を問わず海外まで広がり、土の造形のパイオニアとして高い評価を得てきました。
本展は作家が所蔵する主要作品を軸に、各地の美術館が所蔵する代表作を加えて、伊藤公象の作品の全貌を紹介する回顧展です。土に本格的に取り組み始めた1974年から現在に至る約35年にわたる軌跡を通して、人為をできるだけ抑え、自然の作用を採り込む有機的な創作の世界をご紹介します。また、当館の広大な展示空間にあわせて構成される大型インスタレーションや新作もご堪能いただけます。
豊かな生命力を喚起してやまない伊藤公象の作品は、自然と人間との関係性が問い直される21世紀にあって多くの示唆をわたしたちに与えてくれるでしょう。
関連イベントも開催します。詳しくはHPご覧下さい。
[画像:「木の肉・土の刃」 1991年 高松市美術館蔵 撮影:内田芳孝]
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