神奈川県立近代美術館 鎌倉渡辺豊重は、絵画、版画、彫刻のあいだを自由に往来し、楕円、雲型、星型などの明快なフォルムを彩やかな色彩で描き出したユーモアあふれる作品で知られています。1931年 東京に生まれた渡辺豊重は、1950年代後半から難波田龍起(なんばたたつおき) や田中 岑(たかし)に師事し、1962年に最初の個展を開きました。1968年に第1回芸術生活公募コンクールで受賞したことをきっかけとして、個展やグループ展などで精力的に作品を発表していきます。 1975年頃から10年ほど続いた〈ピクニック〉のシリーズが、〈スウィング〉や〈モクモク〉、〈ギザギザ〉のシリーズへと展開する中、風をはらんだかのような動きや、軽やかなリズムをもったさまざまなかたちが生みだされました。 オレンジや黄色の柔らかな光の中、かたちが無心にたわむれる近作では、栃木にアトリエを移してからの、日々の暮らしの中で触発されるいきいきとした生命のよろこびが感じられます。2009年夏、渡辺は、これまでの赤や緑といった明るい色彩から一転し、黒と金、あるいは黒と銀という抑制された色彩の対比が心地よい緊張感と力強さを感じさせる《鬼I 》《鬼II》を、そして秋には《鬼III》を発表しました。鬼は画家自身のさまざまな感情が凝縮されて生まれた社会への反発のかたちであり、生命力の激しさのかたちでもあります。今回の個展では、〈鬼〉三部作の系譜にある、本展のための最新作、〈鬼〉約30点と関連ドローイングをあわせて展示することにより、作家の烈しい感情が仮託された〈鬼〉シリーズの展開を追いかけ、その全貌を明らかにします。また同時に絵画からかたちが抜け出してきたかのような彫刻小品もあわせて展示し、渡辺の多彩な仕事ぶりを紹介します。
本展の関連企画として、渡辺豊重氏によるアーティスト・トークを
6月19日(土)午後3時30分より、鎌倉館にて開催します。
また鎌倉別館で開催中の展覧会「20世紀西洋版画の展開
キュビスムからシュルレアリスムそして抽象へ」に関連して、
渡辺豊重氏による20世紀西洋版画についてのアーティスト・トークを
6月26日(土)午後3時30分より、鎌倉別館にて開催します。
アーティスト・トークの前後には、プレス関係の方々を対象に、
渡辺豊重氏への取材インタビューをお受けすることも可能です。
せひともご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。
◆渡辺豊重氏によるアーティスト・トーク
鎌倉館「鬼と遊ぶ 渡辺豊重展」
6月19日(土) 午後3時30分~4時30分
申込不要・参加無料(ただし展覧会の観覧券が必要です)
鎌倉別館「20世紀西洋版画の展開」
6月26日(土) 午後3時30分~4時30分
申込不要・参加無料(ただし展覧会の観覧券が必要です)
◆担当学芸員によるギャラリートーク
鎌倉館「鬼と遊ぶ 渡辺豊重展」
7月10日(土)
8月21日(土) いずれも午後2時~3時
申込不要・参加無料 (ただし展覧会の観覧券が必要です)
◆「鬼と遊ぶワークショップ」開催
鎌倉館では夏の美術館ワークショップとして、
子どもから大人まで参加できる「鬼と遊ぶワークショップ」を開催します。
渡辺豊重氏が描いた「鬼」を作家と一緒に美術館で見て、
ひとりひとり大きな紙に絵を描くというものです。
ワークショップの詳細については、下記の美術館サイトをご覧ください。↓
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/pdf/2010_toyoshigeworkshop.pdf
◆美術作品が学校へ出張 ―真っ赤な《モクモク》が学校へ―
「鬼と遊ぶ 渡辺豊重展」にあわせて、横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校に、
渡辺豊重氏の6メートルもあるバルーンの作品《モクモク》を展示します。
《モクモク》は昭和63年(1988)に開催した展覧会「江口週・渡辺豊重展」で、
美術館の中庭に展示された作品です。
学校で美術作品と一緒に過ごして、また美術館に来て作品を見る。
行ったり来たり、美術館と学校がつながる道がひらけます。
★ 附属鎌倉小学校では、学校開放「鎌倉なんとかナーレの夏休み」開催期間の
7月21日(水)~24日(土)に《モクモク》をご覧いただけます。
詳細は、蓮池通信↓ をご覧ください。
http://www.group-rough.net/museum/
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