スイッチ ポイントアーティスト
冨永大尚、末井史裕、冨田大彰、森井浩裕、末田史彰、森永浩尚」
引用は後出しジャンケンではない
イメージは見られ、ことばは読まれる。いやイメージは見えてしまい、ことばは読めてしまうように私たちはしつけられていて、そうして峻別されているからこそイメージとことばは互いに互いの位置を確保しています。だからおのずと各々における引用は性質を異にし、文学において美術にあるような借用や盗用を、あるいは美術において文学にあるような引用文や注釈を、比喩以上に表すことはできません。
すなわち美術における引用は、イメージのイメージらしさを、イメージがイメージであらざるを得ないことを前面化するところにこそ面白さがありますが、それをスマートに(もしくは安直に)見せるだけでは面白くならないところに底知れなさがあるといえましょう。
美術の中でこれまで無数に行われてきた引用は見かけのバリエーションの豊富さに反して、じつのところその用法は意外と限定されているように思います。特に、引用側と被引用側の関係において。著名作品の引用にせよ流通した商品商標の借用にせよネット上の引用にせよ、それらはもっぱら没交渉のまま行われるために(没交渉のまま可能なために)、引用関係は距離を持ったまま、むしろ最近では排他性と閉鎖性を強めているようです。引用表現が、喰うか喰われるかの白熱、あるいは後ろめたさや困難さのようなものを垣間見させてくれることがほとんどないのはなぜでしょう。
引用のやり取りはもっとエキサイティングであっていい。そこで今回、作中に既製品や既成イメージを少なからず用いる3名の作家を招き、相互引用のエキシビション・マッチを開催することにしました。3名にお願いした条件を以下に記しておきます。美術に美術を接ぎ木するようなこの企画は内輪話に過ぎまいとのご批判を尻目に、流血覚悟の取っ組み合いにご期待ください。
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