ニコンプラザ東京アルシ地方・ファラカサ聖者廟についての人類学的調査を、ここ数年、作者は継続して行ってきた。バスや自家用車で訪れる者も近年増加しているが、今日でも、多くの参詣者が野営を繰り返しながら参道を踏破し、当地を訪問している。参詣者はここで、周辺に広く見られる精霊信仰の設置者であるイスラーム聖者の廟を参り、そして、自らの「悩み」の解決をこいねがう。ドラムを叩き、宗教歌を唱和するなどで聖者を祝い、数日の滞在を楽しんだ後、人々は各々の村へと帰っていく。しかしながら、本作はそういった参詣者の営みを図解し、分析的なことばを与える現地報告ではない。ここでの写真とテクストで語られるのは、彼らの「世界」に巻き込まれていく経験についての「ぼく」(作者)のものがたりなのである。並置される写真とテクストが、主―補ではなく、異なるなにかを共に喚起しながらひとつのものがたりを語る関係を結ぶことを、作者は本作で目指している。カラー35点。
10/1(土)13:00~14:00 ギャラリートーク開催
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