一昨年(2010年)冬から昨年春にかけて佐藤翠は、パリ中心部にあるレジデンス施設に滞在し、制作活動を行いました。《Carpet - Paris I - 》《Carpet - Paris II - 》と題された2点の作品はこのときに描かれたもので、綿布を木枠に張らず、直接壁に固定して展示されます。描かれているのが絨毯だということ、また、フランスから日本に持ち帰る際の利便を考えれば、彼女がこの作品をあえて枠張りしなかったことはごく当たり前のように思われます。
佐藤翠は、自分が好きな服、バッグ、靴などが並ぶクローゼットを描くことから出発しましたが、そこから展開して現在では、さまざまな靴が並ぶシューズラックや色とりどりの柄のカーペットなどをおもに描いています。カーテンや家具などに彩色を施したインスタレーションも発表していますが、いずれも生地や表層が大きな関心になっている点が興味深いと言えます。
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