東京国立近代美術館工芸館イタリアのファエンツァ市は、フランス語で陶器を意味するファイアンスの語源となったヨーロッパでは有名な陶都として、また、マジョリカ焼の産地として古くから知られています。市内には100年を迎えるファエンツァ国際陶芸博物館をはじめ、国立窯業試験所、国立陶芸学校があり、今もなお、陶芸の発信地としての役割を担っています。
そのファエンツァ市出身の芸術家、グェッリーノ・トラモンティ(1915~1992)は、早くから才能を発揮し、初期にはテラコッタによる彫刻を手掛け、その後、陶芸家として、また画家としても活躍しました。トラモンティの陶芸作品は、色彩豊かな絵付けを施した陶板や、量感のあるフォルムに結晶釉を施した器物、厚手のガラス釉を駆使した陶額など、それらすべてに独自の特徴を持っています。
また、器物の表面に日記を綴るように文字によるメッセージを描く作品などは、当時の社会の動きやトラモンティの考え方を知ることができ、とても興味深いものがあります。
もう一つの活動を示す絵画作品は、黒色で縁取りされた独特の表現方法を取り入れて、身近なモチーフを描きながらも陶芸作品に共通する詩的な雰囲気を漂わせています。
2009年11月には、ローマのベネツィア宮殿博物館で展覧会が開催されて、イタリア国内で大きな反響を呼びました。現在は、イタリア国内を巡回する展覧会も開催されており、その評価は高まりつつあります。
本展は、イタリアが育んだグェッリーノ・トラモンティの、初期から最晩年までの活動のすべてを、日本国内においてはじめて紹介する展覧会です。トラモンティの、陶芸家としてのフォルムと色彩の多彩な世界、そして、画家としての独自の色彩感覚から生まれた卓越した表現の世界など、一作家の持つ優れた才能とその作品、そして作家の世界観を堪能いただける内容となっています。
■ギャラリー・トーク
日程: 2011年9月10日(土)
時間: 11:00-12:00
場所: 展示室(工芸館)
・ヨスネ・ルイス・デ・インファンテ氏(美術史家)をお招きします。※申込み不要・参加無料(要観覧券)
■講演会
「グェッリーノ・トラモンティの芸術について(仮称)」
ヨスネ・ルイス・デ・インファンテ(美術史家)
日程: 2011年9月11日(日)
時間: 14:00-15:00
場所: 東京国立近代美術館(本館) 地下1階 講堂
※申込み不要・聴講無料(先着140名様)
[画像: グェッリーノ・トラモンティ 「猫」(1980頃) グェッリーノ・トラモンティ財団蔵」
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