練馬区立美術館画家・鏑木昌弥(かぶらぎ・まさや/1938年東京生まれ)は、多摩美術大学油画科在学中より人形劇団で美術製作を担当し、アニメーションの美術制作、絵本の挿絵画などに携わりながら、画家としての活動をスタートします。1963年から前衛美術展に出品、1970年からは前衛美術会から改組した「齣展」に中村宏らとともに参加しました。はじめは油彩画を描いていた鏑木ですが、画材としての鉛筆に価値を見出し、モノクロームに近い禁欲的な作風でスタートしました。
繊細で鋭利な線描が重なりあう緻密な描写には目を奪われることでしょう。一方、40年にわたる作品を一堂に顧みると、次々とスタイルを変え、一人の人物から生み出されたとは思えない変幻自在な表現力を持っています。どの作品にも共通しているのは、まるで1篇の詩を読んでいるかのごとく、彼の想像の物語に観るものを引きずりこむ力です。
ながらく練馬区石神井に住んでいたことを機縁に、その画業を網羅するまとまった作品群がこの度、練馬区立美術館のコレクションに加わりました。そのなかから今展では約50点の作品をセレクトし、鏑木昌弥の画業をご紹介いたします。
[画像: 「貌A」(1972)]
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