HARMAS GALLERYDepth of field(被写界深度)とは、写真内でピントが合っている距離の事ですが、今回の展示では、それぞれの方法で写真を作品に取り込んでいる作家3人の作品をピックアップします。
大槻素子は日々口にする料理や出会った風景を写真に撮り溜め、それらをモチーフとするいわばドキュメンタリー的な手法をとりながらも、キャンバスに描かれる段階で鮮やかな記憶や活き活きとした雰囲気は取り去られ、茫漠とした気配のみが抽出されます。風化、消失といったイメージを抱かせる作品からは、世界が常に移ろい続けている事を再認識させられるようです。
勝部敏之は雑誌や新聞などの写真を主なモチーフにシャープペンシルによるグリッドによって、アナログなピクセルに置き換え作品化します。写真の中の人物の些細な表情・感情はディテールが削がれて、固有の意味は変質し、不安げな雰囲気をまとい出します。常に提供される写真や映像に依存する現代に対するささやかな異議申し立てともとれる作品群です。
桑名紗衣子はセラミックによって、様々な様式/イメージを混合した重厚な立体作品を制作してきました。一転、今回展示するのは写真に鮮やかで精緻な刺繍を施した作品群です。刺繍を施した写真を複写し、さらに刺繍を重ねていくGunbusterシリーズ、写真内に存在する様式を鎖縫いで縫い残す事で表出させるChainシリーズを展示予定です。写真内に存在する、関連のない要素/様式をつなぎ合わせていく手法は立体作品で行われる制作にも一貫しています。
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