SASAI FINE ARTS(ササイファインアーツ)熱の力で鉄の表面を吹き飛ばすような作品を制作してきた海崎。今展では鉄を鑿(のみ)で彫り出した連作を発表します。金属の抽象彫刻というと重くて硬いイメージを持たれます。確かにその通りです。鉄を素材にする作家の傾向として、一つはその重厚なイメージ通り塊としての鉄を作品にしていく、もう一つはパーツのひとつひとつを薄く細いような形状にし、鉄とは思えない軽やかさを表現するタイプに分かれます。しかし、海崎の鉄へのアプローチは少し異なるように見えます。「・・・鉄を溶かしていくと液化する速度や粘性が視覚化され、鉄の見えなかった部分を明らかにし、もう一つの鉄に成ろうとする課程までも鉄として認識することになる。私の興味はものとしての鉄よりも鉄から鉄へ移行していく途中という時間であって、そこから生まれてくるものは自分にとって強すぎることもなく重すぎることもない比重4.8の鉄である。・・・」(2005年個展リーフレットより)と作家が言っている通り、制作している時間の「あいだ」という領域を意識しながら制作をしています。一見コワモテの「鉄の男」ですが、鉄から鉄へ移行するあいだと同じく柔らかな感性を内に秘めているように思えてなりません。新作約10点による当画廊では初めての個展となります。
[画像: 海崎三郎「点在Ⅰ」(2013) H24×91.5×91.5㎝ 鉄]
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