EUKARYOTE(ユーカリオ)前身のセゾンアートギャラリーにおいて、全国各地の美大生を対象に作品発表の機会を提供し、様々な鑑賞者との交流を促進させるなど、サポートを行うことを第一の目的として年に1度行っていた公募企画、「美大生展」を引き継ぎリニューアルしたもの。本年度は菅原玄奨、田岡菜甫、掘至以、吉田裕亮、の4名を選出し、3フロアを使ってグループ展を行います。菅原玄奨は匿名性を帯びた若者の姿を通して変遷する”今”の空気感を象り、吉田裕 亮は古代の彫刻から未来の身体へと接続させ、ありえる/ありえた未来について考察します。イメージの発生から一つの平面作品が成立する過程について、田岡菜甫はイラストを組み入れ演算的に絵画の境界線を探り、同根の行為に堀至以は”あわい"の概念を見出し絵画自体が生成するイメージを描きだします。90年前後〜90年代半ばに生まれた、デジタルネイティブ世代と言われる4名それぞれの関心や表現の間に一見して共通点を見出すのは難しいかもしれません、しかし彼らの瑞々しい眼差しを追って離れた点同士を繋げてみることによって、茫漠と広がる現代のリアリティが浮かび上がってきます。