[画像: ジャスパー・ジョーンズ「Eyes in the Persistence of Form」展示風景 ファーガス・マカフリー東京 2021.9 © Jasper Johns and ULAE/Licensed by VAGA at Artists Rights Society (ARS), New York. Published by ULAE; Courtesy of Fergus McCaffrey Gallery 写真:丸尾隆一 ]

「Jasper Johns: Eyes in the Persistence of Form」

ファーガス・マカフリー 東京
12月18日終了

アーティスト

ジャスパー・ジョーンズ
ファーガス・マカフリー東京は9月11日より「Jasper Johns: Eyes in the Persistence of Form」展を開催します。
ホイットニー美術館とフィラデルフィア美術館の2会場同時開催のジョーンズ回顧展「Jasper Johns: Mind/Mirror」(2021年9月29日〜2022年2月13日)に合わせて開催される本展では、1980年代後期から2000年代初頭ジョーンズの作品に見られる、視覚を自由に解き放つような、様々な記号論的モチーフが嵐のように立ち現れる様式の版画群を展示します。アメリカ東海岸とハリケーンが多発するサン・バルテルミ島の2箇所で生まれた作品たちは、人間の目と台風の目という、身体と比喩の両方の意味で捉えられる「目」という姿を通して、見ることとは何なのか、季節性という概念を私たちに呼びおこします。

ジョーンズの初期作品は、そこに内在する(「心がすでに知っているもの」の原型としての)記号学的な本質により他に類のない存在として評価されていますが、本展に展示される後期の作品群は、初期に劣らず強烈な印象を与え、直感で認識できる要素が欠如したよりミステリアスな領域へと発展していることが分かります。それはまさに、未知の記号と過剰な意味という相反するものが渦巻く名もなき銀河のようです。しかし、注意深く作品を観察するとその記号の嵐にジョーンズが自身の目を通して作り出した秩序を見つけることができます。別の言い方をすると、作品に組み込まれた広大な意味の宝庫に踏み込むには、簡単に頭に浮かんでくる以上のものを捉える必要があるのです。ジョーンズ作品批評の第一人者であるジョーン・ヤウでさえ、《Green Angel》と《Green Angel II》(このプレスに画像掲載)の中にオーギュスト・ロダンによる神話からのイメージを見つけるのに、他のアーティストからのメールメッセージという手がかりが必要だったのです。

1950年代から70年代までの作品の多くは、彼のシグニチャーと言える旗、標的、文字、数字、クロスハッチングのモチーフで占められていたのに対し、後期の作品には伝記的、そして歴史的両方としての記憶が表現されています。ジャスパー・ジョーンズ研究者のロバータ・バーンスタインはこの時期はジョーンズにとって「ひとつの作品内に様々な時代や様式の芸術が混ざり合い、精神的な内容に満ちた情報源の適応」の時代だと言います。作品に潜む個人的な記憶に紐づいた知覚のほのめかしは、瞑想的で持続した注意深い観察によってのみ、その意味が明らかにされるのです。

銀河の描かれた《Untitled》(1992)、《Untitled (American Center)》(1994)、《Untitled》(1995)3作品の中には、マティアス・グルーネヴァルトのイーゼンハイム祭壇画(1512-16)、バーネット・ニューマンのドローイング(ジョーンズ自身のコレクション作品)、パブロ・ピカソの《イカロスの墜落》(1958)、ジョージ・オアの壺、エリザベス女王即位25周年記念花瓶、家族写真(1905頃)、キュビズムとシュルレアリスムの記号論的手法に基づいた反射を示唆する木の鏡のへりなど、様々な参照が組み込まれています。これらの作品は、作品を見たときにまず目に飛び込んでくる銀河のエネルギーをベースに成立しており、そしてその原動力となっているのは台風の目、渦巻きだということが即座に識別できます。

似た視覚的スタイルは同時期に作られた、人間の目が描かれる作品にも認められます。1995年に制作された3つの無題の版画作品、《Face with Watch》(1996)、《Untitled》(2016)のすべての作品には右と左辺に沿って切り取られた目が配されています。(全て本展にて展示)深く考察すると、それは中の要素が分解された一つの四角い顔であることに気がつきます。(目が描かれるジョーンズ作品には全て顔があるのです)児童心理学者ブルーノ・ベッテルハイムによる有名な1952年「Scientific American」の記事から引用された分解された顔のドローイングが絵の中の絵としてかけられ、グルーネヴァルトのイーゼンハイム祭壇画のトレーシング、母性を示す胸、何を意味しているか不明な文字が下辺に描かれています。

様々な要素、側面が作家自身の目を通して描かれた結果、暗号にみちた「コラージュされた」ような作品が生み出されています。どのようにして、そしてなぜ私たちは今私たちが見ているものを見ているのか、というジョーンズの視覚に対する関心と、彼自身の目を使うことによって「私たちの知覚は現実に直接一致するものではなく、外の世界と私たち自身が経験から得た教訓がさりげなく混じり合ったものだということを明らかにするのです。」私たちが見ているものは、すなわち私たちが信じているものなのです。

※本展示は「ART WEEK TOKYO」に参加しています。

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スケジュール

2021.09.11(土)~2021.12.18(土)

会場の開館情報

11:00 ~ 19:00
月曜,日曜,祝日休館
入場料無料
展覧会URLhttps://fergusmccaffrey.com/exhibition/jasper-johns-eyes-in-the-persistence-of-form/
会場ファーガス・マカフリー 東京
http://fergusmccaffrey.com/exhibitions/
住所〒107-0061 東京都港区北青山3-5-9
アクセス東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A3出口より徒歩3分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩11分
電話番号03-6447-2660

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