さて、一歩足を踏み入れると‥‥‥と、本題の展覧会レビューを始めるべきところですが、どんなものか深く知らぬままお出かけいただくのがよろしいかと存じます。今回の出品作は、さまざまな語り口で解くことができる、とても豊かな作品です。なので私の解釈をお目にかけるよりも、ぜひ足をお運びになって確かめていただきたいのです。騙されたと思って、行楽のつもりで、いかがでしょうか。
ギャラリーを出てからも体感として強く余韻が残ります。あれほど狂わされた私の感覚は、いつまで残って、いつのまに消えてしまったのだろうと、今も不思議でなりません。