メインの展示室では、ペインティングの大きな作品が中心に扱われていたが、正に「壁を埋め尽くす」様に、中には他の作品と重ねられるようにして並べられていて圧巻。ライティングは暗く、怪しく点滅しているので決して個々の作品を鑑賞するのには適した展示方法ではないが、コレクターの倉庫を探訪しているかのような雰囲気味わえた。確かに、コレクターによる展覧会であれば、美術館やギャラリーと同じような見せ方をすることばかりが正解ではない。作品は既に「我が物」であるから、ちょっとくらい強引な展示方法をしてもきっと大抵の作家は許してくれるだろうし、変にかしこまって「陳列」されるよりも面白いはずだ。
一方で、マルチプルなど小品の立体が集められた展示室ではライティング自体はしっかりとされており、展示の資料で作品と作家名を照らし合わせながらゆっくりと楽しむ。ここにも著名な作家の名前が並ぶが、作品は美術館やギャラリーではなかなか展示されていない類のものが多い。
なぜなら、その多くが「展示するため」というよりは、「コレクションするため」に制作された作品だからだ。例えばギャラリーでは、必ずしも展示している作品だけを販売しているわけではなく、それとは別に、より小さく持ち帰りやすい作品や、コレクターのための特別な作品を扱っている。
というわけで、トーキョーワンダーサイトには、我々一般人がなかなか見る機会のない類の作品が、大量に展示されています。コレクター気分を味わいたい方は、迷わず渋谷へ!
Makoto Hashimoto
Makoto Hashimoto